齊藤京子、初単独主演ドラマで知った俳優業の面白さ 日向坂46に戻って感じる幸せな瞬間も
ストーリーが進むごとにどんどん“泥濘”にハマっていくような展開が話題を読んでいる『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)。 【写真】齊藤京子 撮り下ろしカット(5枚) 日向坂46の齊藤京子演じる主人公・捻木深愛は、バイト先のスーパーの店長・那須川(吉沢悠)を愛するあまり、その妻や息子の心の隙間に入り込み、一家全体を巻き込んだ“パラサイト不倫”を成し遂げる。 そんな“純愛モンスター”の深愛を演じる齊藤に、役作りやグループ外での活動について聞いた。(編集部)
「自分の人生で起きないからこそ、深愛になりきろう」
――初の単独主演ですが、どんな状況で知らせを受けたのでしょうか。 齊藤京子(以下、齊藤):マネージャーさんに、「決まったよ」と教えていただきました。でも本当にびっくりして、1回じゃ聞き取れなかったんです。坂道グループのドラマには何度か出させていただいたことがありましたけど、単独主演は初めてなので衝撃的でしたし、2023年最初のブログに「今年はドラマとか出てみたいなぁ」と書いていたので、夢が叶ったなと思いました。 ――原作マンガは読まれましたか? 齊藤:全巻買って読みました。とても面白かったので一気に読めて、全部読み終わった後にもう1回読み返しました。 ――役作りについても教えてください。 齊藤:私は声が低くて、「深愛はこの声ではないだろうな」と思ったので、声色から変えないといけないなと思いました。喋り方も普段は落ち着いた感じで、「サバサバしてる」とよく言われるんですけど、深愛は真逆なので、逆に役作りがしやすかったですね。 ――深愛というキャラクターを作り上げる上で、監督さんとはかなり話し合いをされたんですか? 齊藤:私も深愛や原作についてものすごく研究したつもりでしたが、初めて監督さんにお会いしたときに、とても原作への愛に溢れているなと感じました。ちょっと反省するくらいに監督さんの情熱がすごくて、私も原作をもう一周読んだり、深愛の出ているコマをスクリーンショットして、「こういうときはこういう服を着るんだ」「こういうときは、こういう表情をするんだ」と、負けないように研究しました。 ――監督からは、どんなリクエストがありましたか? 齊藤:声のトーンを明るめにすること、語尾を上げてかわいらしくセリフを言うこと、あとは私が早口なので、もうちょっとゆっくり話すこと。本当に些細なところから、深愛について研究しました。 ――自分とかけ離れた人物を演じるのは、いかがですか? 齊藤:私がやらせていただいてる『キョコロヒー』(テレビ朝日系)に天海祐希さんがゲストで来てくださったときに、「自分と全然違う役が来たら、どうすればいいんですか?」と伺ったことがあるんです。そのときに、天海さんが「普段生きていてやることが絶対にないからこそ、思いっ切りその役になりきって楽しんじゃえばいいんだよ」と教えてくださったので、それをモットーに“自分の人生で起きないからこそ、深愛になりきろう”という気持ちでやっています。 ――なぜ天海さんにその質問をしたんですか? 齊藤:初めてのゴールデンスペシャルのときに、「今後もしかしたら役立つかもしれないから、お芝居についての質問をする」というコーナーがあったんです。そのときに、「セリフ覚えが悪いんですけど、どう覚えればいいですか?」とか、いろいろな質問をする流れで聞きました。以前、舞台『サザエさん』でワカメちゃん役を演じたことがあったので、「そういう真逆なキャラクターの役が来たとき、どうされてますか?」と。今となってみれば、本当に繋がっているなと思いますし、この質問をしてよかったなと思いました。 ――グループ活動もある中で、セリフを覚えるのは大変そうです。 齊藤:撮影日ごとに台本を写真に撮って、アルバムを作っています。もう2、300枚くらいあるんですけど(笑)、携帯であればどこでも触れるので、なるべく見る習慣をつけています。移動中にチラッと見て覚えておく、みたいな感じで工夫してやっています。 ――セリフを覚えるのが苦手という点は、その方法で克服を? 齊藤:そうですね。でも、原作を何回も読んだので初めて見るセリフがあまりなくて、台本を見ても「あのシーンのこれか!」となるので、セリフが入ってきやすいです。 ――今回、あらためて感じた俳優の面白さや難しさはありますか? 齊藤:当たり前のことですが、“ナチュラルにお芝居をする”というのが本当に難しいことだなと思いました。本当に一言「えっ」と言うだけでも、ちょっと間違えたらロボットみたいになってしまうんです。なので、共演者の方のお芝居を見ながら、本当にすごいなと毎回勉強させてもらっています。