認知症の母と一緒に久々の旅 高齢や難病に悩む人達の思い叶える『介護付きツアー』新たな旅のカタチに密着【福岡発】
水郷・柳川で温泉と鰻を満喫
柳川に到着した一行は、日帰り温泉へ。清水さんが選んだホテルには、車椅子や足が不自由な人でも気軽に入浴できる天井走行リフト付きの貸し切り風呂があるのだ。 「気持ちいいね。良かったね」。久々に家族で入る温泉は格別。長湯はできない母親のタキノさんは、みんなより先に出て清水さんと散歩。普段、介護でなかなか自分の時間がとれない家族にリフレッシュしてもらうのも介護旅行の大きな魅力なのだ。 風呂と散歩の後は楽しみな夕食。依頼者の智子さんがサプライズで衣装を用意していた。母親が88歳「米寿」の祝いで黄色。叔母は「傘寿」で紫色。姉は「還暦」で赤色。 「記念すべき私たちお母さんとの温泉旅。皆さんありがとうございます」。健康と長寿を願って乾杯。食事はタキノさんの大好物、鰻のせいろ蒸し。「美味しいね」とタキノさんが舌鼓を打つ。普段なかなか言葉を発さないという母親から出た「美味しい」の一言。食卓は家族の笑顔に包まれた。
介護する家族もリフレッシュ
今回の旅行を計画した智子さんは「きょうは温泉から食事まで、母と叔母と皆で楽しむことができました。1人で企画して運転するのは大変だけど、清水さんがやってくれる。私もリフレッシュできたし、介護を受ける母もリフレッシュしていたでしょう。感謝の気持ちでいっぱいです」と今回の介護旅行に満足した様子だった。 深刻な高齢化が進む中、介護を受ける人の数は年々増加している。身体の不自由さをサポートしながら人生の楽しみを諦めない介護旅行。リピーターが多いのも特徴で今後多くの人々が必要とするサービスとなりそうだ。 (テレビ西日本)
テレビ西日本