<解説>本郷奏多、大河で再びの好演 “若き破天荒関白”から4年 花山天皇役でも発揮される「具現化力」
ナレーションで「当時、かぶり物を取られるということは、今でいうなら、下着を脱がされたと同じ感覚の恥辱であった」と紹介されると、「東宮様、無茶苦茶や」「本郷奏多の暴れっぷりよ」「面白いにもほどがある」とSNSは沸いた。
また同回では、藤原斉信(金田哲さん)の妹・藤原忯子(井上咲楽さん)が入内。迎え入れた花山天皇が、解いた帯で、その手を縛る、という様子が映し出され、このときも「花山天皇ちゃんの帯プレー」「まさか大河ドラマで緊縛シーンが流れるとは」などと視聴者は盛り上がった。
◇クセのあるキャラクターも自分の懐に引き寄せ
登場するシーン、登場するシーンで、エキセントリックなキャラクターを次々と発揮する花山天皇だが、言葉の端々から自由さや無邪気さ、傲慢さが見え隠れるするせりふ回しを含め、本郷さんが演じることで「こんな人物だったかもしれない」と素直に思えてしまう不思議さがあるのも、また事実。
本郷さんといえば、あまたの実写化作品に起用され、俳優としての評価を高めてきた演技派の一人として知られるが、その魅力は、クセのあるキャラクターも自分の懐に引き寄せ、制作サイドはもちろん、視聴者もイメージしやすく、巧みに役を「具現化」してしまうところにあるのではないだろうか。
「麒麟がくる」の近衛前久に続いて、大河ドラマで高貴な人物を演じることについて、以前のインタビューで「天皇って、立場としてはすごく偉いのかもしれないのですが、それはあくまで肩書でしかなくて、一番大事にしなくてはいけないのは個人の人間性、感情」ときっぱりと言い切っていたのも印象的。
一方で、ドラマのガイドブックでは、花山天皇を「子供のまま天皇になったかわいそうな人」と位置付けていた本郷さんの演技に、引き続き注目したい