U-23日本、次戦で負ければ8大会連続出場を狙う五輪への道が閉ざされる/アジア杯
【ドーハ22日=山下幸志朗】痛恨の敗戦だ。パリ五輪最終予選を兼ねて行われ、すでに決勝トーナメント進出を決めているU-23(23歳以下)日本代表は、1次リーグB組最終戦で同韓国代表に0-1で敗戦。B組2位で準々決勝(日本時間25日午後11時開始)に進んだ。相手はA組を無敗の1位で通過した開催国カタールに決定。今大会で3位までに入れば五輪出場が決まるが、次戦で負ければ8大会連続出場を狙う五輪への道が閉ざされる。 待ち受けるのはいばらの道だ。優勝したかのように観客と写真を撮る韓国代表を横目に、肩を落として引き揚げた日本のイレブンを、主将のMF藤田が必死に鼓舞した。 「今までやってきたことがゼロになるわけじゃない!」 ロッカールームに藤田の声が響いた。試合は4バックが基本の韓国が5バックに近い陣形で守りを固め、攻めあぐねた。前半は外でボールを回すばかりと消極的な姿勢が目立ち、大岩監督も「あそこまで引いてくるのは想定以上だった」と認めた。後半30分に右CKから隙を突かれて先制を許すと、エースFW細谷らを投入して逆転を狙ったが、決め切れなかった。 代償は大きい。1位通過なら準々決勝の相手はA代表のFIFAランクが134位のインドネシアだったが、開催国のカタールに。完全アウェーが予想され、日本は中2日だが相手は中3日で日程的にも不利。A代表が2連覇した1月のアジア杯で全7試合に出場したMFガベル(アルアラビ)ら実力者も多い。 負ければ敗退の一発勝負となる次の準々決勝が最大の山場となる。五輪最終予選が集中開催となったのは2016年のリオ五輪から。それまではホーム&アウェー方式だったため、厳しさは一気に増した。予選敗退なら1992年バルセロナ五輪以来32年ぶり。〝マイアミの奇跡〟を起こした96年アトランタ五輪から続いてきた連続出場は「7」で途切れる。 希望の光はある。日本は主力を招集できなかった昨年9月の杭州アジア大会で、ガベルら主力を擁したカタールに3-1で勝利している。指揮官も「分析は進んでいる」と自信。この試合の再現を狙いたい。 「切り替えてやるしかない。次に向けて準備をしよう」。ロッカールームでの藤田の声掛けに、イレブンは再び顔を上げた。〝絶対に負けられない戦い〟はすぐそこに迫っている。