ヤクザ社会に生きる女性の生き様を描いた映画「極道の妻(おんな)たち」シリーズ全10作品、BS松竹東急にて怒涛の一挙放送
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)の放送枠「よる8銀座シネマ」では、1月から2月の2カ月間にわたって、ヤクザ社会の裏側で生きる女性たちの凄絶な生き様を描いた映画『極妻』シリーズ全10作品を一挙放送。そのパート1として、1月15日(月)~19日(金)には、「極道の妻たち」(1986年公開)、「極道の妻たちII」(1987年公開)、「極道の妻たち 三代目姐」(1989年公開)、「極道の妻たち 最後の戦い」(1990年公開)、「新 極道の妻たち」(1991年公開)の5作品がラインナップ。 【写真】カッコいい女性の代表格…凛々しい表情で佇む岩下志麻“藤波加奈江” ■ヤクザの世界を女性側の視点から描いた異色の任侠映画シリーズ 本シリーズは、ジャーナリストの家田荘子がヤクザ社会の裏で生きる女性たちを密着取材し、“ヤクザの世界”を女性側の視点から描いた、異色の任侠映画シリーズだ。1986年に1作目となる岩下志麻主演「極道の妻たち」が公開されるとたちまち話題となり、2013年公開の黒谷友香主演「極道の妻たち Neo」まで16作が製作された。 1作目および、4~10作目の主演を務めた岩下は、極道の妻になりきるため、外股で歩き、あごをあげて見下ろすようにして低いトーンで話すなど、徹底した役作りをおこなったという。台本を覚えている最中にかかってきた電話に「わてや」と出てしまうほど役に入り込んでいたこともあったそうだ。その甲斐あってか、映画がヒットすると、岩下は“本物さん”の集団から外出先で敬礼され戸惑うこともあったと、2018年に出演した「徹子の部屋」(テレビ朝日系)で語っている。 それほどまでにハマり役であった初代の岩下、二代目の十朱幸代、三代目の三田佳子に続き、4代目の姉御となった高島礼子は、以前出演したテレビ番組で、本シリーズのキャスティング条件について、「声が低いこと。じつは背もそこそこあること」などを明かしている。 ちなみに肝が座ったカッコいい女性の代名詞のような存在の姉御だが、じつは、岩下はピストルの音が怖く、撮影時にはビクビクしていたそうだ。迫力ある数々の名シーンの裏にはそんなかわいらしい一面があったのだと思うと、また違った姉御の姿が楽しめるのではないだろうか。 ■堂本組総長の急死で跡目相続を巡る抗争が勃発する「極道の妻たち」 1月15日(月)夜8時より放送の「極道の妻たち」は、岩下が主演を務めるシリーズ1作目だ。粟津環(岩下)は、服役中の粟津組組長・粟津等(佐藤慶)に変わって組を取り仕切っていた。そんな中、傘下組員が2万人という暴力団・堂本組の総長が急死。その直系である粟津組は跡目相続を巡る抗争に巻き込まれていく――。 1月16日(火)夜8時より放送の「極道の妻たちII」では、十朱が大阪・港南市に縄張りを持つ重宗組の四代目組長・重宗孝明(藤岡琢也)の妻・遊紀を演じる。夫の孝明が才のない博打と女道楽にうつつを抜かし、組の経営は風前の灯という状況下だったため、遊紀は一人で組を取り仕切っていた。そんな中、関西新国際空港の工事を巡って磐城四天王の一つである和歌山の河東組と利権争いが勃発する――。 ■三田佳子が夫亡きあとの跡目争いで女同士の火花を散らす「極道の妻たち 三代目姐」 1月17日(水)夜8時より放送の「極道の妻たち 三代目姐」では、関西の広域暴力団・坂西組の三代目組長である坂西武雄(丹波哲郎)が病に倒れ、妻の葉月(三田)が構成員1万5000人もの組員を抱えて切り盛りしていた。組長代行の舎弟頭・寺田(成田三樹夫)が四代目を狙う中、坂西に忠誠を誓う若頭補佐の赤松(萩原健一)が出所する。方針の異なる2人は真っ向から対立し、三代目の死をきっかけに主導権争いが激化していく――。 1月18日(木)夜8時より放送の「極道の妻たち 最後の戦い」からは、再び岩下が主演を務める。関西地区を牛耳る広域暴力団の中松組から跡目相続問題で分裂した川越会。その傘下である瀬上組組長の瀬上雅之(小林稔侍)の妻・芙有(岩下)は、服役中の夫に変わり組織を取り仕切っていた。そこへ、中松組の銃弾で夫を失った伊勢夏見(かたせ梨乃)が現れる。芙有と夏見は友情で結ばれていき、芙有は亡き夫の復讐に燃える夏見に協力する――。 1月19日(金)夜8時より放送の「新 極道の妻たち」では、兵庫県尼崎の藤波組二代目霊代・藤波加奈江(岩下)は、妹・頼子(新藤恵美)の夫である若頭の松岡(曽根晴美)に三代目を任せようとしていたが、松岡が射殺されてしまう。そこで娘・雅美(藤奈津子)の夫である本部長の宗田(桑名正博)を三代目に選んだ加奈江だったが、息子の直也(高嶋政宏)も三代目に立候補する。女子大生に恋をした息子を見て、ヤクザから足を洗わせようとする加奈江。それに対し、直也は反発する――。