中学受験には通塾するのが普通だけど、一番効率的なのは塾ではなかった? 受験指導専門家が解説!
中小塾は大手にないメリットも
大手塾については、西村先生の動画をはじめ、役立つ情報が比較的容易に手に入ります。でも、大手よりも中小の塾に子どもを通わせたいと思う保護者も多いかもしれません。 「ええ、そうですね。合格実績の高い塾に入ったからといって、それがお子さんにあっているとは限りません。例えばSAPIXの場合、その良さを活かせるのはα(アルファ)クラスの上くらいじゃないでしょうか。それ以外だったら、そこにいる意味をあまり感じられないかもしれません。私はよく、スーパーに行くのにスポーツカーに乗る必要はない、と例えたりします」 “キラリと光る中小塾”は確かに存在する、と西村先生は言います。 「その多くは、大手塾のカリスマ講師が独立して自分で塾を作ったというケースです。大手塾のやり方をわかった上で、さらに大手塾ができない小回りを利かせて運営しています。だからお子さんそれぞれに対して、かなり高い指導力を発揮できるんですね」 難しいのは……。 「中小塾については情報が少ないので、見つけづらいですよね。Xやブログでの情報収集が必要になってきます。必要に迫られて、初めてネット検索するのでは遅い。お子さんが3年生くらいの頃から始めておくといいと思います」
塾より効率がいいのはエキスパートの家庭教師
ではずばり、西村先生がおすすめする中学受験塾の選び方とは? 「効率がいいのは実は塾ではなくて、4科目それぞれにエキスパートの家庭教師の先生をつけることです。ただし、名前が知られていて指導力実績の高い家庭教師を各科目ひとりずつ契約すると、経済的な負担は塾以上になります」 むしろお金より問題なのは……。 「そういったエキスパートの、しかもお子さんのレベルにあった先生を探すのは、なかなか難しいですよね。先ほどお話しした中小塾と同じように、Xやブログでの情報収集、そして信頼できる方からの紹介など人脈も必要になってくるので、経済力だけでなくリサーチする手間暇もかかります」 先生探しも、やはり早めのスタートが肝心になります。 「これも中小塾と同じですね。お子さんが3年生、あるいはまだ勉強に余裕のある4年生のはじめの時期に、先生の目星をつける。それで例えば一度、スポット体験などをさせてもらって繋いでおきます。そうすると、5~6年生になってから『あのとき教えていただいた者ですけど、なんとかお願いできませんか』と言うと、優先的に担当してもらえる可能性が高くなります」
西村 創先生のプロフィール
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings、栄光ゼミナール、明光義塾などで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。また、全国の中学校・高校でのセミナー講演、書籍執筆などに携わる。著書は『中学歴史が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)の他多数。 YouTube「にしむら先生 受験指導専門家」配信中。 中学受験ナビ「中学受験3分メソッド」提供中。