暗号資産レンディング分野にセカンドチャンス──「退屈、ゆっくり、安全 」で冬を生き残る
破産企業による弁済
ユーザーがレンディング市場に戻ってきているもうひとつの理由は、倒産した企業の多くがユーザーに資金を返済し始めていることだ。ディ・バルトロメオ氏によれば、そうしたユーザーの多くは今、レンディング市場に戻ってきているという。 その理由についてディ・バルトロメオ氏は、これらのユーザーのほとんどにとって、市場の低迷にもかかわらず、投資の基本スタンス「長期保有すれば、資産の価値は上昇する」が功を奏していると説明した。 これらのユーザーは一部の悪徳業者によって打撃を受けたが、資産を取り戻し始めれば、「筋金入りのユーザー」の多くは売却しないだろうとディ・バルトロメオ氏。このような時に、ユーザーはレンディング市場に目を向け、借り入れや貸し出しに資産を活用していると付け加えた。 「私が目の当たりにしていることは、人々がビットコインを長期保有しつつ、同時に有効活用もしたいと考えている、議論の余地のない証明のようなものだ」 ある顧客が何百万ドル相当のビットコインを保有していても、伝統的な銀行はローンの担保として認めてはくれない。「我々(Lednのようなレンディング業者)は、このような顧客のために橋渡しをする」とディ・バルトロメオ氏は付け加えた。
「暗号資産の冬」を生き残る
では、Lednのような中央集権型レンディング会社は、多くの同業者が倒産した「暗号資産の冬」をどのように生き残ったのだろうか? 簡単に言えば、貸し借りビジネスの基本に忠実であることによってだ。 ディ・バルトロメオ氏によれば、Lednは、精査された適格機関とのみ取引を行い、資産と負債のミスマッチを起こさず、DeFiイールドファーミングにも参加しない。 「つまり、誰かがビットコインを私に貸してくれたら、私はビットコインを貸し出す。誰かがドルを私に貸してくれたら、私はドルを貸し出す。常に受け手がいて、常に流動性がある」とディ・バルトロメオ氏は説明した。 また、貸し出しと借り入れはすべて期間を合わせて行っている。つまり、あるユーザーが7日間の条件で資産を貸した場合、Lednはそれを5日間で返済できる別のユーザーに貸し出し、資産の流動性を確保する。 「多くの人は我々のことを退屈と言っていたが、我々はそれに対して、『退屈、ゆっくり、安全』が我々のやり方だと答えていた」とディ・バルトロメオ氏は語った。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Lednの共同創業者マウリシオ・ディ・バルトロメオ氏(左)とアダム・リード氏(Ledn)|原文:Bitcoin ETFs, Bankruptcy Paybacks Have Given Crypto Lending a Second Wind
CoinDesk Japan 編集部