J2藤枝 FW矢村健の2発で3試合ぶり白星…FKに続きPKも決め「ストライカーとして譲れなかった」
◆明治安田J2リーグ第18節 藤枝2-1甲府(1日・藤枝総合運動公園サッカー場) 藤枝MYFCが甲府に2―1で競り勝ち、3試合ぶりの白星を挙げた。FW矢村健(26)が前半4分にFKを直接決めると、同点の後半26分にPKを沈めた。矢村の1試合2得点は5戦ぶりで、2戦連発は今季初めて。藤枝は暫定9位に浮上し、次節(8日)の首位・清水エスパルス戦に弾みをつけた。 波に乗っている矢村が試合を決めた。同点の後半26分、FWアンデルソン(23)のパスを受けたMF杉田真彦(28)がゴール前で倒されて得たPK。アンデルソンもキッカーを希望したが「ストライカーとして譲れなかった。決める自信があった」と背番号9。左隅へ力強く蹴り込んだ。 前半開始早々のチャンスでも決めていた。ゴール正面で倒されて、FKをゲット。「前日の練習での感触がよかった」。プロになってからFKを蹴るのは初めてだったが、壁の右を抜いてGKの届かないコースへ正確に決めた。前節・鹿児島戦からの2戦連発は今季初めてで、1試合2得点は5月3日の群馬戦以来だ。 だがチームにとって、ここからが勝負だった。直近2試合は試合終了間際に失点して1敗1分け。この日もアディショナルタイムが5分あり、ウタカら強力な甲府のFW陣に攻め込まれた。「最後の笛が鳴るまで集中するよう声をかけた」と杉田。「絶対に点を取られないようにしたかった」とアンデルソンも最終ラインまで走って守る。矢村も運動量を落とさず、前線からプレスをかける。サポーターも声援で後押し。試合終了の笛に、ピッチとスタンドで笑顔が広がった。 甲府には縁があった。須藤大輔監督(47)や阿部謙作GKコーチ、養父雄仁コーチも在籍した。昨年2敗した相手でもある。「借りを返そう」(監督)と気合が入っていた。そんな強敵に初勝利。「チームにとって大きな勝ち点3」と杉田は目を細めた。 次は清水との「ダービー」だ。この勝利を自信にして首位チームに挑む。「気負わずに戦いたい」と矢村。リーグ前期の最終戦。2連勝で折り返す。(里見 祐司) 〇…この日はDF中川創の25歳の誕生日。守備に貢献するだけでなく、後半2分にはドリブルでゴール前まで攻め上がってチャンスをつくった。試合後にスタンドのサポーターから「[おんぷ]ハッピーバースデー」と祝福を受け、「幸せでした」と笑顔で手を振った。サイドから高速クロスを入れられて危ない場面もあったが「みんなで耐えた。自信になる。これを続けていきたい」と手応えを口にしていた。
報知新聞社