星野リゾート代表・星野佳路さんと一緒にスキーしちゃった件
「こういった所を滑ると、けっこうイイ写真が撮れるんですよ」と、米国ボストンで購入したというレトロなデザインのバックパックから代表が取り出したのは一眼レフカメラ。「星野グルメスキークラブ(HGSC)」のメンバーの方々が木々の間を滑走する姿を、一人ひとり捉えていらっしゃいました。 こうして活動の一旦を目の当たりにさせていただいているだけで、代表の熱烈なるスキー愛がジワジワと伝わってきます。
スキー板にもこだわりが。現在12本お持ちという星野代表が一番愛用しているのは、長野県が出自の日本ブランド『Vector Glide(ヴェクターグライド)』のオールマウンテン向き最上級ライン「GENIUS Narrow」。全体的にやや幅広の板がパウダースノーでも浮力を得られやすい設計なのは一目瞭然ですが、トップやテールのデザインも個性的です。 スキー板といえばヨーロッパ製しか使ったことのない私にはすごく新鮮で。代表のスキー板はレンタルストアでも見たことがなく、あまり量産しないブランドの姿勢が感じ取れました。
こうして、約1時間半のセッションスキーを終えた頃には、星野代表のスキーへの熱き想いが伝染し、私自身ももっとスキーを探究したくなっていた次第です。 スイス、オーストリア、カナダの山岳リゾートにも赴き、その運営方法をご自身が手がけるスキーリゾートで参考にしているという星野代表。「南米の果て、パタゴニア地方をスキーで訪れた時のこと。現地のガイドが、『ココはまだ最果てではない。南極でもスキーができるんだ』と言ったのです。大変驚きました。この世界最南の地で冒険スキーをすることが、私の当面の目標です」。 そう熱く夢を語ってくださった星野代表と「星野グルメスキークラブ(HGSC)」のメンバーの方々と再会の約束をして別行動となった後、私たちが向かったのはネコマ マウンテンの北エリアです。
連結リフト「ニャルツチェア」に乗ると、一気に気温が下がったのが体感でわかりました。周囲の真っ白に化粧した木々の枝「霧氷」を見れば、気温が低下したのは明らか。小さな氷の粒や雪が風に乗って顔にバチバチと当たるので、油断大敵、フェイスマスクを持ってくるべきでした……。これだけ寒ければ、北エリアのほうがゴールデンウィーク頃まで雪が残っているのも納得です。