マッチョに目覚めた41歳女性芸人「自信がつきました」コンプレックスがプラスに コンビ結成15年アルミカン
才色兼備の高橋沙織(36)とマッチョに目覚めた赤阪侑子(41)による異色女性お笑いコンビ「アルミカン」がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。養成所で知り合い、コンビを結成して15年。それぞれが芸人を目指したきっかけ、これからの活動などについて語った。 【写真】自慢の筋肉をアピール! 12月6日に大阪・扇町キューブCUBE01で結成15周年記念の単独ライブ「桃栗三年柿八年アルミカン十五年」を開催する。毎年のように単独ライブを行っているが、今回は松竹の劇場・角座ではなく、観客を倍ほど収容できる会場にした。コンビを代表して高橋は「15年続いている女性コンビはなかなかいないので、生き残ったぞ!という気持ちでございます。その気持ちをぶつける公演にしたいのと、とにかく盛り上がるように、お客さんにたくさん来ていただきたいです」と意気込んだ。 高校時代に演劇部に所属していた高橋は舞台で観客から笑いが起きたときに「一番分かりやすくて、なんて気持ちいいんだろう」と快感を覚え、芸人になりたいと思うようになった。一方の赤阪は重度の人見知り。人と目を合わせて話すことができず、就職活動はことごとく失敗。「このままではいけない」と性格を改善しようと松竹の養成所に入った。 養成所で出会い、当時、神戸大学の学生だった高橋が「自分が引き立つ人はいないかなあと思って。あと、どうしても女性コンビが組みたかったので、その中で雰囲気をちょっと変わっているし、おとなしそうで言うことを聞いてくれそうやと思った」と、赤阪に声をかける形でコンビを組むことになった。赤阪は「見た目もかわいいし、性格も悪そうだし、絶対に続かない」と思いながらも、試しに組んでみようという軽い気持ちだった。 見た目も性格も全く違う。高橋は「もう真逆ですし、お互いに多分めっちゃ嫌なところはいっぱいあると思うんですけど、ネタ作りが楽しいのがすごく大きくて」と明かす。赤阪が日々の生活から感じた話を高橋が聞いて、そこからネタが生まれる。赤阪は「日々あったことをお母さんに聞いてもらっているみたいな」とアットホームな雰囲気を感じている。 ピンとしての活動も増えた。赤阪は兵庫県福崎町のキャラクターで妖怪のガジロウに似ているということで、2022年から同町のふるさと大使として活動。また、知り合いのスタッフから「おまえがムキムキになったら面白いんちゃう?」と言われ、高橋が結婚した時期とも重なったこともあって「何かやらねば」とボディビルを始めた。 これまでタップダンス、キックボクシング、ギター、韓国語…と続いた試しはなかったが、ボディビルにはすっかりはまっている。「ジムの会長がめちゃくちゃほめてくれているんですよ。『向いている』とか言ってくれて」。149センチの身長とその割に肩幅が広いことがコンプレックスだったが、ボディビルダーとしては、その体形がプラスに働くそうだ。「お笑いは頑張っても滑ったりしてよく分からないんですけど、筋肉は頑張ったら頑張っただけ付くという、すごく分かりやすくて、やりがいがあるので。しんどくても頑張れるという」。結果がはっきりと見えることも理由になっている。 芸人を続けながら、大会が近づくと食事制限や栄養管理などを行う。鶏の胸肉などが入った手作り弁当を持ち歩き、ロケの時に周囲がおいしそうな物を食べていても、プロテインとコーヒーを飲むだけで過ごす。2023年には「大阪女子フィジーク選手権大会」は2人中の2位に終わったが、地元の「尼崎ボディビル・フィジーク選手権大会」で優勝。ただ、この部門の出場者は赤坂だけだったとはいえ、該当者なしと判断されることもあり、価値は十分。今年の「大阪女子フィジーク選手権大会」では4人中の4位。来年こそはとリベンジに燃えている。 マッチョ女性芸人としてのキャラも確立し、筋肉ネタを取り入れることで、漫才やコントの幅も広がった。精神的にも余裕が生まれ、自然と胸を張れるようになった。「もう充実しています。だいぶ自信がつきましたね」と笑顔を見せた。「いつでも脱げるようにはしています」とリクエストがあれば、筋肉美を披露できるように普段から準備はしている。 高橋は気象予報士の資格を取るために通った学校で知り合ったパイロットと2022年に結婚。「自分が満たされているので、より(相方に)優しくなった」と笑った。2021年に「アタック25」でトップ賞を取るなど博学で知られ、謎解き問題なども手がけ、クイズ番組に呼ばれるようになった。ロザン・宇治原、カズレーサーと何度か共演したこともあり、「あの2人は桁違い」と脱帽しつつも「女性芸人ではあまりいないので、その席の1番になりたいです」とチャンスを伺っていた。 全くタイプの違う2人。コンビとしてはもちろん、ソロとしても持ち味を生かして、これからも芸人の道を歩んでいく。 ◆アルミカン 松竹芸能養成所で同期だった高橋沙織と赤阪侑子が2009年10月に結成。コント、漫才を中心に舞台、テレビ、ラジオなどで活動。高橋は2022年にパイロットと結婚。博学を生かしてクイズ番組などにも出演。赤阪は妖怪のガジロウと容姿が似ている事から2022年「兵庫県福崎町のふるさと大使」に任命された。2023年からはボディビル大会に参加。 (よろず~ニュース・中江 寿)
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