『あっぱれ』人気子役から一時ホームレスに… 「人生が狂った」中武佳奈子さんに聞く当時の生活 「普通を知らずに“キラキラ”を取りにいってはいけない」
■履歴書に書ける内容がない…「面接に行くと“犯罪者なのではないか”と」
28歳で結婚、芸能界を引退して専業主婦に。しかし、その後離婚することになる。仕事を探すが、履歴書に職歴が書けないため就職先が見つからず、アルバイトを掛け持ちしても収入は低かった。 「売れなかったこと、芸能界を辞めたことを恥と捉えていたので、一切言わなかった。履歴書も空白なので、面接に行くと“この人は犯罪者なのではないか”と思われる。バイトも掛け持ちするのだが、それぞれ時間は短いからお金にはなっていない。お金の計算ができていないし、どう生活したら効率が良いかもわかっていなかった。それは、今まで全部やってくれる人がいたから。常識を知らなさすぎた」 家賃・光熱費を滞納することもあり、一時はホームレス状態に。電気はろうそく、水道は公園の水、食事は廃棄の弁当や雑草、昆虫まで食べてしのいでいた。「子役をやっていなければ違う家族の形があったのではないか」と振り返る。 「芸能界が駄目になり、お金を生めなくなって、親との縁は切れた。“あの子のママだよね”“普通に子育てもしていてすごいよね”と、親も親ですごくチヤホヤされていて、現実を受け入れられなかったのだろう。水道やガスが止まった時は一番しんどかった。後悔しているのは、子役をやったことよりは、“どうしてこんな人生を歩んでしまったのだろう”というものだ」
■あっぱれの同窓会、明石家さんまの"言葉”がきっかけに
現在はアルバイト生活をしながら、YouTubeで日常を発信している。 「実は2023年、あっぱれの27年ぶりの同窓会があった。そこでさんまさんから『YouTubeやってみたら?』『良いもの持っているんだから』と。YouTubeをやってみると、ファンの方がいまだにいたということに気づいた。自分の苦労を話すと、今しんどい方もいらっしゃって、『励まされる』と言ってくれる。“人生捨てたものではないのかな”とは思う」 そうした経験から伝えたいのは、「普通を知ること」だという。 「今はSNSもあり、発信の場が多くある。芸能界に限らず、キラキラした場にいると、“平凡がつまらない”ということが出てくる。しかし、普通というものを知った上で、というのが大事。下を知らない限り、キラキラは取りにいってはいけないと思う。子役の場合は一生ではないし、“今しかない”と教えてくれる周りの環境が絶対に必要。子どもは勘違いして、それが当たり前だと思って生きていってしまう」 (『ABEMA Prime』より)