海鮮丼・ステーキ・天ぷら・炊き込みご飯…宮城・南三陸で「あわびフェア」 飲食店や宿泊施設が独自メニュー
旬を迎えたアワビを多くの人に味わってもらおうと、宮城県の南三陸町観光協会は今シーズン、町内産の「天然あわびフェア」を初めて企画した。飲食店や宿泊施設など計22施設が、30以上のオリジナルメニューを提供。漁が続く来年2月末まで展開し、誘客を図る。 飲食店8店がアワビの刺し身が乗った海鮮丼やみそ漬け丼、ステーキ、天ぷら、炊き込みご飯などの多彩なメニューを用意した。宿泊施設もアワビの踊り焼きやしゃぶしゃぶを楽しめるプランを案内する。 南三陸さんさん商店街の飲食店「弁慶鮨(ずし)」は、蒸したアワビとウニを使ったあんかけご飯(3850円)、アワビを肝と炒めた米油のオイル漬け(495円)など計4品を新たにそろえた。店主の菅原賢さん(46)は「最上質の肉厚なアワビだけを使っている。町全体で売り出すとのことで、思い切ってさまざまな料理を考えた」とPRする。 南三陸町は歌津産アワビがかつて昭和天皇に献上されるなど、県内屈指のアワビ産地。町内では11月9日に今季最初の漁があったが、開口(漁解禁)の日が限られるため、町内で常時扱う飲食店は少なかった。 町観光協会は地元産アワビを仕入れる町内二つの水産加工業者の協力を得て、飲食店を中心にフェアへの参加を呼びかけた。南三陸の冬を代表する名物だった「キラキラいくら丼」の提供が、サケの不漁で難しくなっている現状を打破する狙いもあるという。 フェアの発表会が18日に町内であり、町観光協会で食の魅力プロモーション部会長を務める飲食店主の及川満さん(50)は「天然アワビのメニューをお店で注文しやすいようにした。豊かな海で育った希少な食材を多くの人に楽しんでほしい」と話した。 期間中の来年1月19日と2月23日には、さんさん商店街で活アワビ即売会も予定している。町観光協会のホームページで各店舗の提供日などフェアの詳細を紹介し、宿泊プランの予約を受け付けている。連絡先は協会0226(47)2550。
河北新報