リストラはもうすぐそこ?…ITの導入で加速する人材飽和から生き延びるために必要な「リスキリング」をご紹介!
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第66回 『日本人が勤勉なんてのは大嘘!?...「学び続けてこそ」の人生を学ばずに終わる日本人が“多すぎる”ワケ』より続く
未来の人材不足に向けて
そんな環境で「リスキリング」だと言われても、そんなに都合よく浸透するとは思えないのが現状です。「リスキリング」などと新しい言葉を使っていますが、「これまで経理でがんばってきてくれたが、SaaSを導入したので、経理部員は半分に減らせる。余った人の首を斬るわけにはいかないので、他の部署で働いてほしい」というたぐいの話だったりするのではないでしょうか。その他の部署とは、多くの場合「IT関連部署」や「営業部」で、そこで働くスキルを学んでもらう必要がある、という話です。 政府はIT人材の育成への取り組みを以前から行っていますが、なかなか成果が出ていません。このまま推移すれば、2030年に約79万人のIT人材が不足するという試算もあります。それをリスキリングで何とかできないか、という文脈も見えてしまいます。
恐怖心に打ち勝った先には
経理を専門として10年、15年とがんばってきた人にとって、経理部は「安全地帯」です。培ってきたスキル、知見はそのまま活かせます。そこから「出ろ」と言われたら、それは「嫌だ」と思うでしょう。それまでのやり方を続ければ良く、新たなものも求められない。安全地帯、コンフォートゾーンです。誰しも、いま心地よい場所から出ていくのは恐ろしいものです。 これはコンフォートゾーンを解説した図ですが、コンフォートゾーンのすぐ外には「Fear Zone」、つまり、恐怖エリアがあるのです。それまでの自分が通用するかどうかもわからない世界。そんなところに行きたいでしょうか? しかしその外には「Learning Zone」、学びがあり、そこを抜けると「Growth Zone」、成長が待っています。恐怖を超えれば、成長が待っているのです。ところが、まずは恐怖に直面する必要があるので、コンフォートゾーンから出たくない。なぜ怖いのか、それは知らないから、やったことがないから、先が読めないから、でしょう。 『あなたは安全地帯に留まっていませんか…!? ITの導入で広がる格差社会の中で勝ち組になるための「秘訣」とは』へ続く
山川 恭弘