「Windows 10」サポート終了の対応はお早めに、Windows 7の時の「狂騒曲」を振り返る
2025年10月14日にWindows 10のサポートが終了する(EOS=End of Support)。「まだ1年以上も先の話ではないか」と思うかもしれないが、古いPCを買い替えるなど早めの対応が望ましい。全国の家電量販店やECショップのPOSデータをもとに集計したデータベースで、いま売れているデジタル家電が正確に分かる「BCNランキング」で、Windows 7の時のEOSを振り返る。 【写真ギャラリー】 ●Windows 10のEOSとは あらためてWindows 10のEOSとは何かを説明すると、読んで字のごとく、OSのセキュリティ更新プログラム(バグ修正や脆弱性のセキュリティ修正、タイムゾーンの更新、テクニカルサポートなど)の配布が終了する。 25年10月14日以降もWindows 10 PCは機能するが、更新されないセキュリティの穴を突いて、悪意のあるソフトウェアから攻撃を受ける恐れが生じる。メールやインターネットだけでなく、USBメモリからも悪意のあるソフトウェアが侵入する恐れがある。 対策としては、新しいWindows 11を搭載したPCを購入するか、最小システム要件を満たすPCであれば、Windows 10からWindows 11に無料でアップグレードする、のいずれかがある。 ●Windows 7のEOSは単月で2.28倍の駆け込み需要が発生 問題は、新しいPCを購入する際の買い替えタイミングである。ここでBCNランキングを使って、2020年1月にあったWindows 7のEOSがどうだったかを振り返ってみよう。なお、23年1月のWindows 8のEOSは、Windows 8 PCの販売台数規模そのものが小さかったので、比較対象にしていない。 グラフは、17年7月を「100.0」とした販売台数指数を、17~18年、18~19年、19~20年(いずれも7月~翌3月の同期)の期間で比較したものだ。 17~18年と18~19年は指数にそれほど大きな開きはなく、例年通り年末商戦や入学、新生活の春商戦に盛り上がっている。 ただ、赤い線で示した19~20年は、19年9月に183.4(17年7月の1.8倍)となり、10月は反動で71.9まで下がった。これは、10月に消費税率を引き上げたことに伴う駆け込み需要が発生した影響である。 問題はその後。20年1月のWindows 7のEOSに向けた駆け込み需要が発生した。19年12月に181.4、20年1月に228.0と、わずか2カ月で再び販売台数の急激な伸びを記録したのだ。その後の20年3月以降は、新型コロナウイルスの流行によりテレワークなどの需要が再び発生していくのだが…。 ●余裕をもって検討して、納得のいくWindows 11 PCを われわれはこれまで、エコポイントや消費税率の引き上げ、新型コロナ、震災、水害など大きな制度改正や災害のたびに、買い替えや買い占め、買いだめなどの急激な需要の発生を経験し、振り回されてきた。 それと同じくWindows 7のEOSの時も、店頭に買い求めやすいPCはなくなり、在庫不足や価格の高騰などが起きた。仕方なく、自分にとってオーバースペックなPCを購入せざるを得なかった人もいるだろう。 そうならないためにも、今から買い替えを検討し、余裕をもって対応したい。焦って自分に合わないPCを購入するよりも、適正な価格のタイミングで自分の納得のいくPCを購入したい。 幸いにもWindows 10のEOSは25年10月で、年末商戦の前だ。Windows 7のEOSのような、年度末商戦の1月とは違う。品数もそれなりに豊富かもしれない。ただ、早めに動いて損はないだろう。 ●各ベンダーの特設サイトも参照に マイクロソフトはもちろん、各PCベンダーもWindows 10のEOSをアナウンスしはじめている。 例えば、FMVを提供している富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は8月19日に特設サイト(https://www.fmworld.net/fmv/win10/end/?from=bcn/2409)を公開。かわいらしい熊の父と娘のキャラクターが、Q&A形式でやさしく説明しながら、EOSの対応をわかりやすく促してる。 主な問いは次の四つ。(1)サポート終了になると、どうなるの?(2)新しいパソコンへのデータ移行って大変じゃない?(3)最新パソコンって何がすごいの?(4)教えて!おすすめの最新FMV。 BCNランキングを見てもわかる通り、EOSに向けた駆け込み需要は今回も発生する可能性が高い。各PCベンダーのEOS対応ページを見ながら、今のうちから対策を検討するといいだろう。(BCN・細田 立圭志) *「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。