ゲレンデにイノシシ穴 富山県南砺のイオックス・アローザで被害 餌求め、頂上付近にも
●20日オープン控え「打つ手なし」 20日の営業開始を控えた南砺市のスキー場「イオックス・アローザ」で、イノシシがゲレンデの芝生を掘り起こして穴を開ける被害が拡大している。土の中のミミズなどの餌を探しているとみられ、修復してもあちこちでまたゲレンデがボコボコに荒らされる被害が繰り返されている。山頂付近にも広がる穴掘り被害とのいたちごっこを余儀なくされた社員は「打つ手が見つからない」と頭を抱えている。 イオックス・アローザを運営する医王アローザ(南砺市)によると、被害が特に多いのは、標高約350メートルのゴンドラ乗り場に近い斜面。11月に入り、約50メートル四方にわたって芝生が掘り返された。深さ20センチほどの無数の穴が開いているのを、巡回中の社員が見つけた。イノシシが土の中のミミズを食べに、夜間にゲレンデに姿を見せているとみられ、12月に入っても穴掘り被害が増えている。 今季のオープンを約2週間後に控えており、土が掘り返されたままの状態でゲレンデに雪が降ると、春になっても芝生が復元できない可能性がある。社員が日々、ゲレンデを歩いて芝生を元に戻したり、重機を使って整地したりする作業を行っているが、標高約770メートルの山頂付近にも被害は及んでいる。社員は「柵を設けようにもゲレンデは広すぎてイノシシの侵入を止められない」と悩ましげだ。