何を変えようとしている?自民憲法草案(3)安全保障 国防軍の保持
第24回参院選の争点のひとつが、憲法改正です。しかし、現行の憲法をどのように変えようと考えられているのか、中身はあまり知られていません。そこで、2012年に自民党がまとめた「日本国憲法改正草案」を基に、テーマ別に現憲法との違いを取り上げていきます。 第3回は、第2章「戦争の放棄」(現行)から「安全保障」(草案)への変更点です。
「国防軍の保持」と「領土等の保全」
現在の憲法は、第2章「戦争の放棄」第9条で「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。同2項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と記しています。 草案では、「国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」とし、同2項を「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」と変えています。 また、「国防軍」「領土等の保全等」を追記。「国防軍」についての条文では、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」こと、任務遂行の際は「国会の承認その他の統制に服する」、国際社会の平和と安全を確保するため、「国際的に協調して行われる活動」などを行う、と書かれています。 「領土等の保全等」では、「主権と独立を守るため」、国は「国民と協力して」、領土・領海・領空の保全と資源確保しなければならない、と加えています。