厳戒会見で関学が日大のとんでも回答書に突きつけた10の不可解
関学大は、これらの不可解点を列挙した上で、「内田前監督、井上コーチの会見での発言内容には極めて不自然な点が多く、指導者が真実を語っていると信じるには根拠が不足しており、誠意ある回答とは受けとれない。日大の見解には強い疑念を抱かざるを得ず、これ以上の問答は平行線をたどる可能性が高い」と、キッパリと断交を宣言した。 宮川選手の聞き取りもしていない回答書は不備なのだから、もう一度、回答書を差し戻して、とことん矛盾点を突く手法もあるかと思うが、関学大は、もうこれ以上不毛なやりとりを続けることを選ばなかった。 日大は今後の再発防止策として指導者の意識改善や、過去の試合映像を利用したプレー検証の徹底なども回答書に盛り込んできたが、小野ディレクターは「再発防止策以前の段階。まずは真相究明が先決」と評価さえ与えなかった。 鳥内監督は「日大の選手が真実を語っていると思う。内田前監督は本当の責任をあいまいにしている。井上コーチも内田前監督を気にしながら、本当に思っていることが言えているのかなあという印象を持った。コーチですら監督にものが言えないなら、選手はもっとだろう。そんな中で教育できるのか、というのが僕の意見」と怒りを抑えながら私見を述べた。 奥野氏は、宮川選手が両親と謝罪に訪れた際の様子を明らかにしたが、録音に快く同意して経緯を語り、加害者の母親は涙を流し奥野夫人も泣いたという。「真実を話そうとしてくれた。かわいそうだった」。 一方、内田前監督の謝罪については「到底、受け入れられないものだった。日大選手の記者会見の様子とは、天と地の差がありました」と語り「大学は何を隠そうとしているのか」と不信感を口にした。 もうどちらが真実を語っているのか?は明白だろう。 今後は、日大の第3者委員会の結論や、関東学生アメフット連盟の規律委員会の調査結果を待つことになるが、まともな第3者委員会が、他の日大選手やスタッフから綿密な聞き取りを行えば、関学大が出した同じ矛盾点や結論に行き着くことになる。だが、そこでも答えが出なければ、刑事告訴という手段に発展する可能性も高い。どんどん話が大掛かりになり、傷つく人が増えることがフットボールへの冒涜になることを保身しか考えない内田前監督はまだ理解できないのだろうか。 鳥内監督が言った。 「何度も流れている危険なタックル映像がフットボールじゃない。分業制があり、いろんな役割があり、自分らで考えることができるから楽しい。知恵を絞りコミュニケーションが取れる。奥深く面白いものなんです」 フットボールを本当に愛する人の心の叫びである。