1日のうち「立つ」と「座る」どっちが多いと健康的? 豪研究で最適なバランスが判明
あなたが思う以上に、あなたは身体活動をしている
軽い強度の身体活動は、毎分100歩未満のウォーキングと定義。例えばウォータークーラーまで歩く、トイレまで歩く、友達と気軽に散歩するといった活動で、これらが血糖コントロール、特に2型糖尿病の人の血糖コントロールと強い関連性があることが分かった。 このような軽い強度の身体活動は、目的を持って軽く運動するというより、1日を通して断続的に増えていくような類の運動だ。 私たちの実験が示したのは、座っている時間を定期的に中断して軽い身体活動(1時間ごとに3~5分の散歩など)を行うと、新陳代謝を改善できるということ。特に昼食後は効果が大きい。 中程度から激しい身体活動については、1日2時間以上とかなり長時間に思えるかもしれないが、私たちはこれを1分間に100歩以上の速度と定義した。これは早歩きに相当するものだ。 ただし、これらの結果は予備的研究によるものであることには注意してもらいたい。これは心臓病と糖尿病のリスクと「最適な」24時間に関する最初の研究であり、より長期にわたる研究を行っていく必要がある。 データも横断的だ。これは、推定される「使われた時間」が疾患の危険因子と相関していることを意味する。つまり、時間の使い方が危険因子に影響を与えるのか、それとも危険因子が時間の使い方に影響を与えるのかは分からない。
成人の身体活動ガイドラインはアップデートが必要
オーストラリアの身体活動ガイドラインは現在、運動の強度と時間のみを推奨しており、それに代わる24 時間の動きを採り入れた新しいガイドラインを作成中だ。間もなくオーストラリア人は、新しいガイドラインを使用して自分の時間の使い方を調べ、どこを改善できるか理解できるようになる。 とはいえ、研究やガイドラインの「推奨」とは北極星のようなもの。健康を改善するためにどこへ向かうべきかを教えてくれるに過ぎない。 原則としては、こうなる。できるだけ座っている時間を減らし、立っている時間、軽い強度の活動、中程度から激しい強度の活動を増やすこと。毎晩7.5~9時間の健康的な睡眠を取れるよう努力すること。 良い変化も起こるだろう。スクリーンタイムを減らし、車よりも運動になるような通勤方法を選び、夜はテレビを見る代わりに早く寝ることを優先する、といった具合に。 最後になったが、私たちの研究による「推奨」はあくまで体を動かすことができる成人向けであることは承知いただきたい。そして最適なバランスをどう考えるにせよ、体を動かすことは楽しいものなのだ。 The Conversation Christian Brakenridge, Postdoctoral research fellow at Swinburne University Centre for Urban Transitions, Swinburne University of Technology This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.