【デーブ大久保コラム】ロッテ・佐々木朗希投手は逸材中の逸材。だからこそ継続性を高めてほしいです
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 交流戦は楽天の優勝で幕を閉じました。さまざまな話題がありましたが、今回私が注目したのは、ロッテの佐々木朗希投手です。 【選手データ】佐々木朗希 プロフィール・通算成績・試合速報 先日の6月8日、広島戦(マツダ広島)で6回3安打9奪三振1失点の5勝目(2敗)を挙げました。その前の登板が5月24日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)。そこから2週間開けての投球で、広島戦後はしっかり中6日で投げていくのかな、と思っていました。 しかし、右上肢のコンディショニング不良ということで出場選手登録抹消になってしまいました。吉井理人監督は「中6日ではきついということだったので抹消しました。中6日が難しかったら投げる試合がないので」とコメントを出しましたが、これは監督を経験した人にとっては分かると思いますが、本当に苦渋の選択だったと思います。 今回の佐々木投手の状態について、メジャー挑戦を絡めてさまざまな意見が出ています。SNSでも本当に賛否両論ですよね。ただデーブ的には、どの意見も正しいのではと思います。そして真実は一つ、佐々木投手自身が、中6日で投げられないと判断したということです。 「違和感」という言葉は、非常に厄介で、相手に気持ち的にも感覚的にも伝わりづらい言葉です。「肩に激痛が走り、ピリッときました」と言われたら、皆さんも多少なりともピリッとした経験があるはずで、納得しやすいんです。しかし例えば「右肩に違和感があって投げるのは厳しいです」と言われたら……。ただ、投手が違和感を口にしたら、本当に投げられないという意味だと聞いています。それもあり、今回の件に関すると、本当に佐々木投手にしか分からない状況なのだと思います。 いずれにしても、今回のことで騒がれるのは、佐々木投手のポテンシャルが非常に高く、ロッテファンは、優勝のために投げてほしい、という気持ちがあるからでしょう。一方でメジャーに移籍したときにはどういう活躍をしてくれるのか、楽しみにしているファンもいます。その期待をしている割には佐々木投手の活躍が思ったほど継続できていないからこそ、今回のような反応になってしまうのです。 デーブ的には、先発ローテ投手として1年間投げ切るという意味では、佐々木投手は、まだお尻も小さいですし、線も細いと感じています。私も現役時に教育リーグで修行をし、マイナー・リーガーでも先発陣のタフさを知っているだけに、メジャーで1年間投げ切るには相当に投げる体力が必要だと思います。 もし大型契約でメジャーと契約した場合、結果のみを求められます。メジャー契約の中には、育成の意味合いはないわけですから、それまでに年間180イニング以上は投げられる力を付けてほしいと思います。やはりあれだけの逸材ですから、日本でもメジャーでも、常に快投する姿が見たいと思いますね。
週刊ベースボール