《ブラジル》ルーラ＝26年大統領選への出馬否定せず＝「トランプ勝っても影響ない」
ルーラ大統領（労働者党・PT）は8日朝、訪問先のミナス・ジェライス州で現地ラジオ局「イタチアイア」のインタビューに応じ、2026年大統領選挙に出馬する可能性について否定はしなかったが、決めるのは時期尚早だと述べた。8日付SBTサイトが報じている。 「もしここでイエスと言ったら、非常に思い上がっているだろう。就任してまだ1年しか経っていない。出馬希望を言えるようになるには任期を終える必要がある」と説明した。 また、米国の大統領選でトランプ氏が勝利する可能性と、ブラジルの選挙に向けてボルソナリズムが強化されることとの間に関連性はないと指摘した。 「トランプ氏の当選が我が国での選挙に影響を与えるとは思わない。なぜなら、そのようなことは今まで一度も起きていないからだ」と語った。 ルーラ氏は、共和党のトランプ氏を再びホワイトハウスに返り咲かせる可能性のある米国の政治的現象は、ブラジルの政界や司法界で起きている現象とは異なると見ている。「トランプ氏の件は米国の問題であり、米国の狂気だ。もう一人（ボルソナロ）はここでの狂気だった。だが、国民は飽き飽きしており、安定を求めていると思う」と意見した。 トランプ前米国大統領は、ボルソナロ氏に「インスピレーションを与えた」人物とみなされてきた。 8日付カルタカピタルで、マリナ・ヴェレニクス記者は「両者とも、保守的な考え方を擁護するだけでなく、権力維持に関してはあまり共和主義的でないアイデアを共有している。政治戦略も常に比較される。トランプ政権では、支持者の基盤を維持するために頻繁に使用する「代替え可能な真実（alternative truth）」という表現が世界中に広まった。トランプ氏が奨励した連邦議会襲撃と、ボルソナロ氏によって影響を受けた1月8日の三権施設襲撃事件もまた、比較の対象となっている」と書いた。 ルーラ大統領のミナス・ジェライス州訪問は、3期目の就任後初となる。8日午後に同州への投資計画を発表する式典に参加したロメウ・ゼマ同州知事は、自身の演説の中でルーラ氏との「良好な関係」の必要性を強調した。 ゼマ氏は、26年の大統領選でルーラ氏の対抗馬となる可能性ありとされている人物の一人だ。このため、PTは同地域での影響力を拡大したい狙いがある。 ルーラ氏は、ミナス州政府との関係について、「私は私を選んでくれたのと同じ国民によって選ばれた州政府と対話を行っている」「大統領は知事の政党ではなく、各知事を選んだ州民のことを案じるべき」とし、同知事とも「文明的な関係を築きたい」と述べている。
