クローン社長が会社を継承!?社長の著書などから知識・話し方を学習 『創業者の思いや会社の理念』を社員らに浸透しやすくする狙い
事業継承の新たな取り組み、活用するのは「AIクローン」です。MBSの前田春香アナウンサーが取材しました。 訪ねたのは大阪府内で50年以上にわたり賃貸マンション建設などの土地活用事業を行なってきた「進和建設工業」。 2代目の西田芳明社長(72)は事業継承するにあたりAIクローンを活用することにしました。パソコンの画面に映っているのは…? (前田アナ)「これは何ですか?」 (進和建設工業 西田芳明社長)「オレ。似てるでしょ?AIクローンを事業継承で使いたくて、思いなどを伝えたかったものですから」 西田社長の「AIクローン」。これまで培ってきた経営のノウハウを次の世代に引き継ぐために自身の著書や講演の資料などから「知識」と「話し方」を学習させたといいます。 さっそく質問してみました。 (前田アナ)「社長の一番の趣味は何ですか?」 (AIクローン)「私の一番の趣味は読書ですね」 (前田アナ)「合っていますか?」 (西田芳明社長)「はい。8000冊読みます」 6月20日、初めてクローン社長と対面した中堅社員。 (入社8年目の社員)「新卒採用で学生さんに進和建設を魅力的に思ってもらうためにどうしたら良いですか?」 (AIクローンの社長)「おお、ええ質問やね。まずは会社のビジョンや理念をしっかり伝えることやね」 (入社8年目の社員)「最終結果をクローンにゆだねるのではなくて、最終結果を出すための僕たち個人個人が考えるプロセスのなかで、社長の考えに触れながら考えて、その結果を新社長と共に作って行動に移していけたら」 AIクローンの活用で創業者の思いや会社の理念を次期社長と社員らに浸透しやすくする狙いがあります。一方で…。 (前田アナ)「怖さみたいなものはないですか?」 (西田芳明社長)「ありますよ、そら。いままでの自分の経験を移していっている。そこに変なものを入力されたらどうでしょう?」 社長を継ぐことになる息子の西田泰久さん(46)は、どう思っているのでしょうか。 (西田泰久副社長)「初代と2代目の考え方を受け継いで仕事することが僕のミッションと思っていたので」 今後は面接や講演など社長の仕事の一部をAIクローンが代行することを目指しているといいます。 (西田芳明社長)「思いというか感覚的なことがもっと伝わったらいいかなと。人間らしくね」
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