第94回選抜高校野球 県勢、願い届かず 春の悔しさ、夏への糧に /滋賀
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の出場校を決める選考委員会が28日、開かれた。県からは昨秋の近畿地区大会に出場した八幡商、滋賀学園、近江の3校が推薦され、伊吹が21世紀枠近畿地区候補校となっていたが、いずれも選出されなかった。選手たちは悔しそうな表情を浮かべながらも、夏に向けて闘志を新たにした。【礒野健一、菅健吾】 ◇全国Vの夢変わらない 近江 一般選考のうち、近江と八幡商の2校は近畿の補欠校に回った。 昨秋の近畿地区大会8強の近江は、彦根市松原町の同校で知らせを待った。選考から外れたことが分かると、学校関係者は無念の表情を浮かべた。岩谷斉校長(63)は「悔しい気持ちを胸に刻み、練習に励んでほしい」と選手たちに声をかけた。多賀章仁監督(62)は「何とかこのチームを甲子園に連れて行きたかったが、力不足で申し訳ない。昨夏の4強を超える成績を残せるよう切り替えていこう」と励ました。 山田陽翔主将(2年)は「甲子園に出られない悔しさはあるが、全国制覇の夢は変わらない。一戦必勝で、日本一になれるよう頑張りたい」と話し、早速練習に向かった。 ◇「甲子園で校歌」へ練習 伊吹 雪の残るグラウンドで吉報を待った伊吹に、夢舞台への切符は届かなかった。吉居増行校長(60)は「選ばれなかったが、近畿候補校になったのは大変な名誉だ。夏には実力で甲子園出場を勝ち取ろう」と激励。野村勇雄監督(50)は「この経験を誇りに『伊吹魂』をもって精進したい」と今後への意欲を示した。 中川蒼河主将(2年)は「残念だが、ここで気落ちしていてはいけない。この冬は近畿の代表という自覚を持って練習し、精神面でも強くなった。夏に甲子園で校歌を歌うためにも、今日から練習に励みたい」と前を向いた。 4番を務める藤原怜央副主将(2年)も「夏に向けて、技術や声出し、全てをレベルアップさせる」と力を込めた。