山本草太「表彰台はマスト」全日本選手権へ闘志「限界を決めないで攻めていけたら」【フィギュア】
フィギュアスケートの全日本選手権が20日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで開幕する。男子で初優勝を狙うのが昨年大会3位の山本草太(24)=中京大。同選手権を6度制した宇野昌磨さんが現役を引退した現在は群雄割拠の状態だが、度重なるけがを乗り越えてきた男は攻めの滑りを貫いて、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪プレシーズンの大会制覇を目指す。 攻める。そして、頂点へ駆け上がる。普段はクールで理知的な山本が自身11度目の全日本選手権を前に、闘志を激しく燃やしている。 「守るのではなく、攻めたいという気持ちになってきている。自分でも珍しいというか…。限界を決めないで攻めていけたら。表彰台はマスト。全力で練習してきたことを出せたらと思います」 今季は初戦のチャレンジャーシリーズ・ネーベルホルン杯(ドイツ)のフリーで自己ベストの183・72点をマークして優勝。しかし、グランプリ(GP)シリーズは2戦ともに4位。試合前に自信を持てず、試合後は不完全燃焼の思いを覚えた。「地力やレベルを最大限まで引き上げて試合に臨むべきだ」。反省の念が湧き起こった。 苦い思いをしたくはない。今大会に向けて「調子がいいかも」と言えるほど練習を積み、大技の投入も視野に入れる。4回転フリップ。11・00点の基礎点はサルコーやトーループといったこれまで跳んできた4回転ジャンプよりも高い。フリーの冒頭に組み込む予定。着氷すればその後の滑りに勢いも出るはずだ。 「本気で『入れられるかも』という状態にはなってきている。現状維持では先はない。この年齢で『なんかやるやん』と思ってもらえるきっかけの一つになるのは4回転の種類を増やすこと」 今回は大阪開催。大阪府岸和田市出身の山本にとって故郷での演技も気持ちを高める材料だ。「トップに食らいついていく強い気持ちで臨んでいきたい。だんじり魂でいこうと思います」。昨年は何度も見せた演技中のガッツポーズを再現して激戦を勝ち抜く。
中日スポーツ