世帯年収「1000万円」でも生活に余裕ない?!「手取り額」を子育て世帯と夫婦のみ世帯の家族構成別にシミュレーション!
子育て世帯は、子どもの教育費や住宅ローンの返済など出費が多くかかることが多いです。毎月の生活のやりくりをしながら「年収1000万円あったらいいな」と考える方もいるのではないでしょうか。 【シミュレーション結果表】世帯年収1000万円の手取り額はいくら?夫婦のみ世帯と2人の子育て夫婦世帯で計算 しかし、年収1000万円を得ていても実際に1000万円を自由に使えるわけではなく、手取り額は2~3割ほど減ってしまうのが現実です。 なぜ手取り額が減ってしまうのか、その理由を解説するとともに、家族構成のケースごとに手取り額をシミュレーションしていきます。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
手取り額とは年収から保険料や税金を差し引いたもの
まずは、年収と手取り額の違いを確認しましょう。 年収とは1年間に得た収入総額のことで、額面金額といわれることもあります。一方、手取り額とは、年収(総収入額)から社会保険料や税金を差し引いたもので、年収と手取り額は、以下の関係性にあります。 手取り額=年収(総所得額)-社会保険料・税金 年収から差し引かれる社会保険料や税金が少ないほど、手取り額が増えることになります。 給与から差し引かれるのは、主に以下の項目です。 ・厚生年金保険料 ・健康保険料 ・介護保険料(40歳以上) ・雇用保険料 ・所得税、住民税 給与明細で見たことがある項目が並んでいますね。 厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料は、その人の標準報酬月額によって、いくら差し引かれるかが決められています。 所得税や住民税は、「配偶者控除」や「扶養控除」、「生命保険料控除」など一人ひとり控除項目と金額が異なるため、同じ額の給与をもらっていても手取り額が異なります。
年収1000万円の手取り額をシミュレーション
年収1000万円の手取り額は、実際には家族構成により違ってきます。前章でも触れたように、控除項目と金額が世帯により異なるためです。 そこで、会社員の夫が1000万円の年収があることを前提に、夫婦のみの世帯と夫婦と子ども2人の4人家族を例に手取り額をシミュレーションしていきます。 なお、以下はあくまでもシミュレーションであるため、目安として参考にしてください。 ●ケース(1):夫婦のみの世帯 【シミュレーション条件】 ・夫:40歳、給与所得のみ ・控除項目は基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除 ・住民税は課税所得の10%とする 夫の年収が1000万円で、夫婦二人世帯の場合の控除項目とその金額の目安は以下の通りです。 ・厚生年金保険料:71万4000円 ・健康保険料(介護保険料を含む):58万9000円 ・雇用保険料:6万円 ・所得税:73万8000円 ・住民税:58万3000円 これらを合計すると268万4000円となり、1000万円から差し引くと、手取り額は731万6000円になります。 ●ケース(2):夫婦と子ども2人の4人家族 【シミュレーション条件】 ・夫:50歳、給与所得のみ ・子ども年齢:16歳・18歳(いずれも高校生で控除対象扶養親族の条件を満たしている) ・控除項目は基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除、扶養控除 ・住民税は課税所得の10%とする 夫の年収が1000万円で、夫婦と子ども2人の4人世帯の場合の控除項目とその金額の目安は以下の通りです。 ・厚生年金保険料:71万4000円 ・健康保険料(介護保険料を含む):58万9000円 ・雇用保険料:6万円 ・所得税:58万6000円 ・住民税:50万7000円 これらを合計すると245万6000円となり、1000万円から差し引くと、手取り額は754万4000円になります。 ●世帯状況によって手取り額が変わる ケース(1)と(2)を比較すると、扶養控除対象の子どもが2人いる世帯の方が、22万8000円手取りが多くなっています。控除項目や控除金額が増えるほど、手取り額が増えることがわかります。 とはいえ、子ども2人がいる世帯にとっては、23万円程がプラスになっても子どもの進路次第では余裕がなくなる可能性もあります。少しでも手取り額を増やすためには、所得控除をもれなく適用させることが大切です。 今回のシミュレーションでは所得控除を最低限のものに設定しましたが、ほかにも以下のような項目があります。 ・配偶者特別控除 ・寡婦(寡夫)控除 ・障害者控除 ・生命保険料控除 ・地震保険料控除 ・小規模企業共済等掛金控除 ・寄付金控除 など 該当するものがあれば、忘れずに申告して手取り額を増やしましょう。