児童ら回収CO2でボトル製作 住友電工とフエキ、度会小で環境学習 三重
【度会郡】三重県度会町棚橋の度会小学校でこのほど、4年生65人を対象にした環境学習があり、児童の吐く息に含まれるC02(二酸化炭素)や児童らが集めたペットボトルキャップを活用し、住友電気工業(大阪府)と不易糊工業(同)が、それぞれ開発した技術を使い共同製作した限定ボトルが児童らに贈られた。 海洋ごみの回収や発生抑制に取り組む環境省の「ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業」の実施自治体に選ばれた同町は、環境保護やCO2削減に力を入れる住友電工と連携協定を締結。「回収したCO2でまちをつくるカーボンリサイクル」を目指す取り組みの一環として、C02のリサイクル技術などを研究・開発する同社の馬場将人さん(40)が、9月に同校で地球温暖化対策をテーマにした環境学習を実施した。 同時に、住友電工の新技術でC02と金属から生成する未来素材「metacol(メタコル)」を使って児童らが喜ぶ学用品を作ることを計画し、でんぷんのりなどを製造販売する不易糊工業が協力した。 不易糊工業が生でんぷんを使用し、でんぷんのりの技術を基に開発した樹脂「FNR(フエキネイチャーレジン)」に、児童らの教室で回収したCO2などから生成したメタコル、児童らが集めたペットボトルキャップを混ぜ合わせ、フエキどうぶつのりのキャラクター「フエキくん」の限定ボトルを作った。 2回目の環境学習には児童らのほか、不易糊工業の梶田安彦会長や鈴木勝也社長、主席技術顧問の髙島晶さんも出席した。馬場さんと髙島さんが講師を務め、児童らも携わったカーボンリサイクルの取り組みや限定ボトルの作り方などを実験を交えて説明。児童らは限定ボトルへの色付け体験を楽しんだ。 4年の長谷川咲幸さんは「みんなの息の二酸化炭素からフエキくんボトルを作ってすごいと思った」、馬場さんは「地球温暖化に対する自分たちの行動が、いずれ自分たちに返ってくることを学んでほしい」と話した。