あなたは「スタート地点」に立てていますか…!? ビジネスにおいて弱者が強者に打ち勝つ「秘訣」とは
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第71回 『「無能な起業家が多すぎる」…「ドラッカー最後の弟子」と称される著者が語る“優秀”な人材と“無能”な人材の決定的な「差」とは!?』より続く
己を知ることから始める
その柔軟性はどこから生まれるのか。ヒントは “vulnerability”「弱さ」にあります。ドラマなどでは、よく弱小野球部が強豪校(強キャラ)に立ち向かっていく物語があります。強豪校にいるようなプロから声がかかっている強力な選手がいなくても、戦略と戦術を駆使して戦っていくというような物語です。野球、それもまだまだ選手に荒削りさが残る高校野球なら、そうしたこともありうるかもしれません。 私が経験したアイスホッケーは、残酷なスポーツです。弱いチームが戦術を駆使して強豪チームに立ち向かっても、まず勝てません。ジャイアントキリングが極めて難しいスポーツなのです。 先程の弱小野球部の物語でも、たいていは一人か二人、(特に投手で)強豪校に伍する選手がいたりします。そうでなくては、現実的ではないからでしょう。しかし、ビジネスにおいてはジャイアントキリングが可能な状況もあります。 スタート地点は、己を知り、「弱さを認める」ところです。
負けることを恐れてはいけない
ビジネスのケースでは、資本力があり、優秀な人材が集まってくる、設備も何だって揃えているのが強キャラでしょう。実際にはそんなのはレアです。 しかし、強キャラでなければならないと思ってがんばっている人も少なくないと思います。そういった人は、とても折れやすいのです。 疲れたら休めばいい。ショックが長引いているならば、休暇を取ればいい。無理はしなくてもいい。チャレンジすること、一歩踏み出すこと、一歩踏み外すこと、一歩はみ出すことは、無理をすることと同義ではないのです。 ガチガチに強さにこだわり、負けることを恐れて強がっていては、衝撃で壊れてしまいます。 そして、自分の弱さを認めるからこそ、壊れない。何度でも立ち上がることができるのです。 『「社長になんか誰でもなれる」...慶応大卒の准教授がビジネススキル以上に重視する夢をかなえるために必要な「起業家精神」とは?』へ続く
山川 恭弘
【関連記事】
- 【つづきを読む】「社長になんか誰でもなれる」...慶応大卒の准教授がビジネススキル以上に重視する夢をかなえるために必要な「起業家精神」とは?
- 【前回の記事を読む】「無能な起業家が多すぎる」…「ドラッカー最後の弟子」と称される著者が語る“優秀”な人材と“無能”な人材の決定的な「差」とは!?
- 【はじめから読む】「キャリア」や「人生の悩み」について答えが欲しい...近年の「メンターブーム」のウラにある身勝手な矛盾
- ナイーブな日本人が参考にすべき、起業家教育の名門・バブソン大学のポジティブすぎる「カルチャー」
- 起業は冒険と同じ!…「大航海時代の探検家」と現代の「起業家」に共通する「3つの分類」を企業経営に活かす方法