【Playback箱根駅伝】第3回/早大が初の栄冠 6区間で区間賞 2位に27分差をつける圧勝劇
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第3回箱根駅伝総合成績、区間賞をチェック
第3回 早大・河野兄弟の連続区間賞で東京高師を逆転
往路で快走したのは2年ぶりの優勝を目指す東京高師。1区の畠山勇三が2位の早大に4分31秒の大差をつける好スタートを切ると、2区の越智治成も先頭をキープする。3区で早大に逆転を許したが、4区の山口徳太郎が30秒差をひっくり返すと、その後もリードを広げて2分35秒のリードを奪った。 5区は1920年アントワープ五輪マラソン代表で第1回大会の優勝テープを切っている茂木善作。前回区間賞の早大・麻生武治が前年に自身が出した区間記録を大幅に更新する走りで追い上げたが、茂木も従来の区間記録を上回る区間2位の走りを見せて逃げ切った。東京高師が往路初優勝。早大が1分31秒差の2位で続いた。 翌日は朝に零下5度まで冷え込んだことから、当初午前7時スタート予定だったのを30分繰り下げて出発。早大の6区・内田庄作が区間新記録の快走で東京高師との差を1分にまで詰める。 早大は7、8区に河野兄弟を起用。7区を任された兄の一郎は酒匂川付近で東京高師に追いつくと、国府津で一気にスパートして突き放す。一郎は1時間20分55秒の区間新記録で東京高師に9分09秒差をつけた。続く8区の弟・謙三も区間新の走りでリードを20分以上に拡大。この時点で大勢が決まり、最終的には27分05秒の大差をつけて早大が初優勝を飾った。 10区間中6区間で区間賞と完勝した早大。14時間12分21秒の総合記録は前回の明大が残した優勝記録を26分40秒も上回った。2位は復路で失速した東京高師、前回優勝の明大は3位に終わった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部