来季はどうなる…? 2024年、出場0に終わった逸材Jリーガー5人。様々な理由でピッチに立てなかった男たち
MF:本田風智(ほんだ・ふうち)
生年月日:2001年5月10日 所属クラブ:サガン鳥栖 サガン鳥栖の本田風智は、2024シーズン開幕前に背番号「10」を託された。だが、巧みなドリブルと強力なシュートが武器の鳥栖ユース出身者は一度もエースナンバーを披露する機会がないまま今季を終えた。今、鳥栖ファンを魅了する10番はひざの重傷に苦しみ続け、キャリアの危機を迎えている。 2020年2月に鳥栖のトップチームへ昇格した本田は、デビューシーズンにJ1リーグで26試合に出場して3得点1アシストをマークする。2022シーズンにはキャリアハイの5得点2アシストを記録するなど、プロ入り後の滑り出しは上々だった。 だが、本田のキャリアは突如暗転する。2023年5月14日に行われたJ1リーグ第13節・アビスパ福岡戦で左ひざの外側半月板を断裂。以降はピッチに戻れないまま昨季を終了。今季も出場ゼロの状態が続いてしまった。 かつて鳥栖に在籍したMF島川俊郎の公式YouTube『としおVideo /島川俊郎』(7月22日公開)で、本田は苦しい胸の内を語っている。 約1年2カ月で計3回の手術を受けたという23歳MFは「違和感やひざの緩さが変わらない」と現状を説明。「自分のひざがただただ使い物にならない」と率直な感想を述べ、「心境はただただキツい。去年11月に復帰して、今年は開幕から行けると思ってやってきたので」と辛い気持ちを吐き出した。 予想外の負傷と向き合う本田にとって、今は試練の時。我慢の先には、またスタジアムの観客をわかせるプレーを連発している10番の姿があるのだろうか。才能あふれる本田のカムバックを願うばかりだ。
MF:須藤直輝(すとう・なおき)
生年月日:2002年10月1日 所属クラブ:鹿島アントラーズ 須藤直輝にとって、鹿島アントラーズでの4シーズン目は昨季同様に苦しい1年となってしまった。 高校サッカー界で才能を見せつけ、鳴り物入りでJリーグに参戦した技巧派MFも今では22歳。多くの鹿島ファンは、来季に須藤がかつての輝きを取り戻すことを願っている。 大宮アルディージャのジュニアユース出身である須藤は、地元・埼玉県の強豪校として知られる昌平高等学校で1年次から背番号「10」を託された。3年次には鹿島とのプロ契約を勝ち取り、契約内定後の全国高等学校サッカー選手権大会では優秀選手の一人に選出されている。 2021年2月に晴れて鹿島に加入すると、4月20日に行われたYBCルヴァンカップ・グループステージ第3節の北海道コンサドーレ札幌戦でプロデビューを果たした。だが、加入初年度はルヴァンカップで2試合に出場したのみで、リーグ戦出場はなかった。 2022シーズン、須藤は期限付き移籍先のツエーゲン金沢で待望のリーグ戦デビューを飾る。5月4日のJ2リーグ第14節・アルビレックス新潟戦に途中出場すると、短い時間ながら持てる才能を存分に発揮。最終的に同シーズンはJ2リーグで15試合に出場した。 しかし、所属元の鹿島に復帰した昨季はカップ戦を含めて出場機会なし。それは2024シーズンも同様で、須藤は一度もピッチに立てないまま1年を終えた。高校時代に多彩な技術を駆使したドリブルで観客をわかせた男は、唐突にJリーグの舞台から姿を消してしまったのだ。 来季、鹿島は鬼木達新監督の下で2018年以来となるタイトル獲得を目指す。直近2シーズンにわたり試合から遠ざかっている状況を踏まえると、須藤には相当のアピールが求められる。