夜な夜な庭に現れるタヌキと2カ月の攻防 “ためフン”はご勘弁、退散してほしい…苦心と奮闘の記録
今秋、長野市の記者の自宅にタヌキが現れた。最初に確認したのは姿ではなくフン。それも、複数のタヌキがフンを積み上げていく「タヌキのためフン」だ。タヌキの生活も大変とは思うが、うちの庭をトイレにはしてほしくない。こうして、タヌキたちを退散させるための2カ月にわたる攻防が始まった。センサーライト設置や忌避剤散布などの工夫を重ね、「ためフン」をする瞬間を捉えた動画の撮影にも成功した。(前川英樹) 【動画】丸々ふさふさのタヌキ。“ためフン”現場も
タヌキの“ためフン”発見
長野市の郊外にある我が家の庭は比較的広い。周囲をアイビーとツガ、ビワの垣根が囲い、中央にはザクロの木が大きく枝を広げる。ほかにもモミジ、ハナモモなど、あちこちに植えた木が気にいっている。ただ、放っておくとすぐ草が伸びるのは、仕方がないとはいえやっかいだ。 【10月16日】庭で取った草を運ぼうとザクロの木を回り込んだところ、足元にぐにゃっとした感覚が。まだ草ぼうぼうの足元には黒ずんだ動物のフンらしき物が3つほどあり、小山をなしている。猫や犬のフンにしては大きく、イノシシや熊にしては小さい。「タヌキのためフンだ!」と直感する。近隣は住宅地とはいえ、農地も比較的多く残っている。タヌキにしてみれば、この庭も自然の休憩所なのだろう。とにかく草と一緒にフンを片付けた。 【10月20日】在宅ワークの日。ちょっと庭に出ると、16日と同じ場所に3つのフンの山を見つめた。草ぼうぼうの状態がいけないと思い、すぐに草を取ってフンを片付けた。 【10月22日】休日。はじけてきれいな実を見せ始めたザクロを収穫しようと庭に出たところ、またまたフン2個を発見。小さめだったので一度は埋めるが、臭いが残ると思い直して掘り出して処理。その後、人の存在感を示そうと、より徹底的な草取りを実行した。 【10月24日】在宅ワーク。朝、庭を見るとまたフンが1個。ここに至り、草取りだけではなく、投資して真剣に対策を取ると決めた。仕事を終えた夕刻、ガーデンライト3本(計5040円)と、動物が嫌がる臭いを発する忌避剤(648円)を購入。タヌキがフンをしている場所を囲むようにガーデンライトを設置し、忌避剤を多めにまいた。 【10月25日】初対策の翌日、これで大丈夫と意気込んでいたが、またフンを盛られた。フンの中に柿の種を確認。どうやら夜間に住宅地の柿を狙ってうろつき、うちを休憩所にしているようだ。これまでタヌキのフンとは断定できていなかったので、フンの写真を林業に詳しい親戚にメールで送って確認を求めた。すると、大きさからタヌキのようだと助言を受ける。