好きを貫く大切さ、根底にある“ギャル魂”が垣間見えた『おむすび』第9週
ナベさんの表情が変わったのも好きがきっかけ
そんなナベさんの表情が一瞬変わったのも、やはり“好きなこと”がきっかけだった。「渡辺靴店」を営んでいるナベさんは、靴職人。しかし現在はほぼ休業状態で、商売道具も使われていない様子だった。そんなナベさんに聖人は、自分が大切にしている靴を差し出し「この靴直してくれへんか」と修理を依頼する。 ナベさんは無言の圧で聖人を拒否したが、「どうしてもやってもらいたいんや。職人のあんたに!」と訴えかけられたことで表情を変える。靴を手に取りじっと眺めると「時間かかっても知らんで」と、修理を引き受けたのだ。ナベさんの心の中で「靴が好き」という気持ちが呼び起こされた瞬間だった。 好きなことを貫くのは、そう簡単なことではない。第三者から止められたり、途中で心が折れたり、自分の気持ちを見失いそうになることもある。それでも『おむすび』の登場人物たちは、自分自身の“好き”を大切にし、困難な状況でも“好き”を取り戻そうともがいている。その懸命な姿に、画面越しでも勇気をもらえるのだ。 自分の中にもギャル魂が潜んでいるのだろうか、そんなことを考えながら迎えた週末。我々視聴者も今作への“好き”の気持ちを育てながら、結たちの人生を見届けたい。
音月 りお