来季はどうなる…? 2024年、出場0に終わった逸材Jリーガー(5)25歳で膝がボロボロ…。戦い続ける重戦車FW
明治安田Jリーグは2024シーズンが終了した。三つ巴のJ1優勝争い、天国と地獄が交差した各カテゴリーの昇格プレーオフなど、最後まで目が離せない展開が続いた1年間だったが、その影には、様々な理由から一度もピッチに立てなかった選手もいる。今回は、今季のJリーグで出場ゼロに終わった逸材をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
FW:加藤拓己(かとう・たくみ) 生年月日:1999年7月16日 所属クラブ:清水エスパルス サッカー選手にとって、同じ個所を何度も負傷することほど辛いものはない。清水エスパルスの加藤拓己は、これまでのキャリアの中で計3回左ひざの前十字靭帯を損傷。復帰目前で再負傷する負のループに陥ってしまった25歳FWは、自身の怪我と懸命に向き合う日々を過ごしてきた。 加藤に最初の試練が訪れたのは2021年7月だった。早稲田大学ア式蹴球部の練習中に左ひざの前十字靭帯を断裂。それまでも高校時代に手首を負傷したり、大学入学後に左足首を骨折したりと何度か怪我を経験してきたが、左ひざに負った重傷は以後の負傷遍歴に大きな影響を及ぼしていく。 2022年2月に清水へ加入した加藤は、同年5月に期限付き移籍したSC相模原でも左ひざの前十字靭帯を断裂。全治未定と診断されたこの怪我が原因で、予定よりも早く清水に復帰せざるを得なかった。 清水でも不幸は続き、2023年9月には練習中にまたも加藤の左ひざが悲鳴を上げる。繰り返される靭帯断裂の悪夢は、川崎フロンターレ時代の鄭大世に影響を受けたフィジカル系重戦車タイプの点取り屋をキャリア終焉に追い込む危険性すらあった。 月日は流れ、2024シーズンのJ2リーグ第38節(最終節)に臨む清水のベンチには加藤の姿があった。11月10日、本拠地『IAIスタジアム日本平』は生憎の雨模様だったが、今季初のベンチ入りを果たした加藤の心の内には晴れ間がのぞいていたかもしれない。 出場機会こそ訪れなかったが、まずは貴重な第一歩を踏み出したと言えるだろう。今季、清水はJ2優勝と3シーズンぶりのJ1復帰を達成した。来季、ピッチ上で思い切りボールを蹴る加藤の姿が見られることを期待したい。
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