東京五輪1年前にバスケW杯に挑む八村塁が「米に勝てるチャンスがある」と語る理由
NBAドラフトで日本人として初の1巡目指名(全体9位)でウィザーズに入団した八村塁(21)と日清食品ホールディングスがグローバルスポンサーシップ契約を結んだことが22日、都内のホテルで発表され、会見に臨んだ八村は、東京五輪への思い、NBA1年目シーズンへの決意などを語った。 この日、初披露されたカップヌードルの新CM「New Legend」篇は、空港にユニホーム姿のヒーロー八村が凱旋、大歓迎を受けているシーンが舞台になっている。 実際、八村が、今回、帰国すると、まさにCMのような展開になっていて、「メディアの数も増えて町で声を掛けられるようになりました。注目されることは、日本バスケとしてもいいことですし、嬉しいことです」と言う。 日清食品は、東京五輪とオフィシャルパートナーシップを締結しているスポンサーでもあり、会見では、明日24日がちょうど五輪まで1年の節目の日であることがアナウンスされた。 「僕がバスケを始めた時くらいに、東京オリンピックの話が始まり、その時から僕がNBAに行くという夢とともにオリンピックにも出たいという夢をずっと抱いていました。日清さんが東京オリンピックをサポートしてくれるという意味でも、契約できた事は本当に嬉しいですし、来年チャンスがあるので、日清さんとともに東京オリンピックを頑張っていけたらなと思います」 五輪にメジャーリーガーを派遣しない野球とは違い、バスケットの五輪とNBAの結びつきは強い。1992年のバルセロナ五輪でドリームチームが結成されたところから始まり、以降、アメリカは五輪にNBAからベストメンバーを組んで挑み、2004年のアテネ五輪を除き、すべて金メダルを獲得している。NBAプレーヤーである八村が、すでに44年ぶりの五輪出場を決めた日本代表に参加することにも支障はない。
8月31日から中国で開催されるワールドカップにも八村は参戦する。日本が自国開催となった2006年以来の出場となる同大会は、日本以外の五輪出場国を決める重要な大会。グループEに入った日本は、ファーストラウンドで世界ランキング17位のトルコ、同24位のチェコ、同1位のアメリカと対戦する。スパーズの名将、グレッグ・ポポヴィッチ・ヘッドコーチが率いるアメリカ代表は、今大会でV3を狙っており、もちろんメンバーはNBAでデイミアン・リラード(トレイルブレイザーズ)らオールスター級も名を連ねている。日本が、どこまで奮闘できるか、実力を測るには絶好の相手。八村も、9月5日のアメリカ戦を「どれだけ日本のバスケが通用するのか楽しみにしています」と言う。 「サマーリーグを見てもらえばわかるように僕だけでなく、いい選手がたくさんいます。渡邉さん、雄大さん、比江島さんも頑張っているので、そういう選手と共に戦っていけばアメリカにも勝てるチャンスがあると思います。代表の練習も始まるので楽しみにしています」 八村がウィザーズの一員として参加したサマーリーグには、渡邊雄太(グリズリーズ)、馬場雄大(マーベリックス/アルバルク東京)、比江島慎(ペリカンズ/栃木ブレックス)の3人も参加していた。八村の“デビュー戦”は、比江島との日本人競演だった。日本代表チームにいるワールドクラスが決して八村一人だけでないところも彼が「勝てるチャンスがある」と期待を寄せる理由だ。 八村は、日本代表での役割を聞かれ、「一番年下ですが」と断った上で「リーダーシップを出せるようにプレーで見せられるように。オフェンス、ディフェンス、リバウンド、いろんなところで見せられればいいですね」と、堂々と語った。 ワールドカップで日の丸をつけた“プレ五輪”の戦いが終わるとウィザーズに合流、10月のNBA開幕に備える。八村のパワーフォワードのポジションにライバルは多いが、本人もNBA1年目のシーズンの目標を「ウィザーズは、そんな上のチームじゃありません。でもいろいろとトレードをして、いい選手が集まってきています。コーチングスタッフもいいコーチばっかりです。まずはプレーオフに出られるようにシーズンを通して、1試合、1試合、どれだけチームに貢献できるかが目標です」と断言した。