サザレヰシが大きな巖となるように…白昼夢「サザレヰシヨン」幕開け
「白昼夢2024『サザレヰシヨン』」が、昨日7月4日に東京・武蔵野芸能劇場 小劇場で開幕した。 【画像】白昼夢2024「サザレヰシヨン」より。(撮影:大橋絵莉花)(他9件) これは、白昼夢にとって、約5年ぶりとなる新作公演。米山昂が脚本、石坂雷雨が演出を担う本作では、“価値観”をテーマに、人と石とが結ばれるラブストーリーが展開する。時は明治時代。士族の揖斐川刀一は、剣術道場再建のため、没落華族の一人娘と縁談を組もうとしていた。しかしその娘は、神に願い自らを“石”と変じて生きており……。出演者には、浦田大地、大竹このみ、緒方壮哉、佐藤勇輝、篠原正明、鶴田理紗が名を連ねている。 開幕に際し、石坂は「白昼夢の演劇にしか出せない解答が此処にあらわれますように。一粒一粒のサザレヰシが寄り集まり、大きな巖となるように」とコメント。米山は「古い価値観も、新しい価値観も、私も、あなたも、何もかも。寄り集まっているこの世界を、皆様に見届けていただければと思います」と意気込みを語った。公演は7月7日まで。 ■ 石坂雷雨コメント 色々な考え方を持つ人達が「今」集まって1つの作品を創ることが出来るのか。白昼夢の演劇にしか出せない解答が此処にあらわれますように。一粒一粒のサザレヰシが寄り集まり、大きな巖となるように。 今日この日その瞬間のために俳優、スタッフ、集まってます。 ■ 米山昂コメント サザレヰシヨンという作品は、コロナ禍で公演を休止していた期間に、劇団メンバーで集まって交わした会話をもとに作られています。 大きな危機に直面したこの世界、この国では、めまぐるしいスピードで「価値観」の更新が行われました。昨日まで正しいとされていたものが急速にキャンセルされて価値を失ったり、極端な発言や思想が拡散されあれよあれよと新しい価値を得ていったり。その加速は今なお収まっていないように感じます。 劇団ではそんな世の中の変化を観測しながら、では自分たちはどう生きていこう?というような会話を交わしました。 それぞれに答えは違いました。自分たちもまた価値観の異なる他者同士だと実感することになりましたが、それでも共通することもあり、新鮮な体験でした。 この作品は、そこで出た言葉を使って書き上げました。 さざれ石という言葉には、「小石」という意味もあり、「小石が集まって出来た巨石」という意味もあります。 古い価値観も、新しい価値観も、私も、あなたも、何もかも。 寄り集まっているこの世界を、皆様に見届けていただければと思います。 ■ 白昼夢2024「サザレヰシヨン」 2024年7月4日(木)~2024年7月7日(日) 東京都 武蔵野芸能劇場 小劇場 □ スタッフ 脚本:米山昂 演出:石坂雷雨 □ 出演 浦田大地 / 大竹このみ / 緒方壮哉 / 佐藤勇輝 / 篠原正明 / 鶴田理紗