「もろ手挙げて喜べず」 熊本、大阪の原告ら会見 新潟水俣病
水俣病集団訴訟で原因企業に賠償を命じた18日の新潟地裁判決を受け、大阪や熊本など各地裁で同種訴訟を起こした原告らが東京都内で記者会見した。 国への請求は退けた判断を疑問視し、「もろ手を挙げて万歳と言うわけにはいかない」などと声を上げた。 3月の熊本地裁判決は除斥期間を適用して請求を棄却していた。熊本訴訟の原告緒方徹治さん(70)は「新潟判決は除斥期間で切り捨てることがなくて良かった」としつつ、「国の責任が認められないのはどうなのか」と首をかしげた。 昨年9月に水俣病と認定された大阪訴訟の松尾厚子さん(68)は、今回26人が認められた点を評価した上で「原告の多くは70歳を超えている。国は一日も早く救済してほしい」と訴えた。 東京訴訟の尾崎俊之弁護団長は「いずれの訴訟も水俣病と認定された患者がいる。判決にとどまらず、世論を喚起しながら解決の道筋を探りたい」と語った。