桐谷健太は警察官を演じさせたら天下一品 2大ジャンルが絡む『院内警察』は新機軸に?
桐谷健太が主演を務め、瀬戸康史、長濱ねる、市村正親らが共演する連続ドラマ『院内警察』(フジテレビ系)が1月12日よりスタートする。 【写真】『院内警察』桐谷健太、瀬戸康史、長濱ねる、市村正親が揃うビジュアル 本作は、2021年より『ヤングチャンピオン』(秋田書店)で連載中の『院内警察 アスクレピオスの蛇』を原作とした医療エンターテインメント。日本ではまだなじみの薄い“院内交番”を舞台に、元警視庁捜査一課刑事の主人公と天才外科医の“正義”がぶつかり合う“刑事もの×医療もの”2大王道ジャンルのハイブリッド作品だ。 桐谷が演じるのは、院内に設置された院内交番に所属する元警視庁捜査一課の刑事・武良井治。他人のちょっとした身なりや言動の違和感を見抜く抜群の洞察能力を基にしたプロファイリングスキルをもつ敏腕の院内刑事で、医師や看護師をはじめ、患者の病状など情報を全て把握するほどの記憶能力を持ち併せている。人たらしな一面もあり、院内医師や患者から院内の情報収集することも。しかしその反面、歯に衣着せぬ無頓着な物言いで院内ではさまざまなトラブルを起こしている。 桐谷に警察官を演じさせたら天下一品だ。強い目力が強い正義感を物語っているかと思いきや、やや憂いを帯びた表情がなにか“裏”があることを思わせる。『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系)シリーズでは、私立高校の体育教師から転職した異色の刑事を演じた。その転職理由が「高校生をワルの道へと誘う悪人たちを根絶したいと思ったから」なのだから、警察官になるべくしてなった人である。犯人を逮捕して被害者に感謝されることが何よりの喜びで、多少ルールを破ってでも正義を追求する姿は危なっかしいが、街の安全を守ってほしくなる。 同じ警察組織の人間でも『インビジブル』(TBS系)で演じた猿渡には、恐怖を感じさせられた。実は猿渡は快楽殺人者で、数年前に同僚を殺害していたのである。そのときに主人公である志村(高橋一生)も居合わせていたのだが、猿渡は同僚に刃物を突きつけながら見た志村の顔が忘れられず、「愛しくてたまらなくなって……」「あの顔がもう一度見たかった」と“告白”。そのために志村を監視できるようなポジションについたのである。それまで猿渡はそんな狂気を感じさせなかっただけに、ゾクゾクする一場面だった。 今回、桐谷が演じる武良井はエリートだったが警察を辞し、警察OBが多い院内交番勤務に自ら志願。これが高い志があっての行動なのか、そうでないのかはこれから明らかになっていくのだろう。桐谷が今度はどのような警察官姿を見せてくれるのか期待が高まる。 もうひとつの注目ポイントは、ここに医療ものの要素が加わってくるということである。武良井は日々患者同士のトラブル解決や遺失物捜索に従事していたのだが、若き天才外科医・榊原俊介(瀬戸康史)がドイツから帰国したことで状況が一変する。難易度が高い手術も素早く正確に、次々とこなしていく榊原を武良井は鋭い目線で見つめ、ことあるごとに絡んでいくのだった。この2人にはなにか因縁があるのかもしれない。2人の過去にも鍵がありそうだ。 これまでありそうでなかった“刑事もの×医療もの”の作品となる本作。どのようなエピソードが盛り込まれ、全体としてどのような展開になるのだろうか。
久保田ひかる