「新しいふるさとを紹介します」。NPO法人が移住希望者と受け入れる「いなか」をマッチング/大阪
「子育て世代」がいなかを目指し始めた
いなか暮らしといえば、リタイアしたシニア世代の悠々自適ライフ――とのイメージが強い。しかし、最近は変化のきざしがみられるという。 「移住希望者は従来、50代以降のシニア世代が6割、7割を占めていましたが、最近は20代から40代までの子育て世代が半数まで増えてきました。日々の生活環境を重視し、便利な都会よりも、いなかの豊かな自然と温かい人間関係の中で、子どもたちを育てたいという考えが、反映しているように感じます」(勝見主任) 昨年の移住先人気ベスト3は岡山、和歌山、兵庫。勝見さん自身、大阪生まれの和歌山育ち。現在も橋本市から1時間半かけて、大阪都心の同センターまで通勤している。「いなかには何もないと思っていましたが、当センターでマッチング事業に取り組むようになって、清流が流れ、鳥がさえずるふるさとの魅力を再発見しました」と話す。 『ふるさとは遠きにありて思ふもの』と詠んだのは作家室生犀星だが、現代の「新しいふるさと」とは、どのように向き合えばいいのだろうか。 「移住したいけどたいへんだろうなと思いを巡らすだけではなく、行動を起こしてほしい。いなか暮らし体験ツアーや農家民泊など、お試し移住のさまざまなプログラムが組まれています。移住は早くて半年、通常は2、3年がかりのプロジェクトになります。体験を積みながら、少しずつ移住の情報を集めて準備を進めてください」(勝見主任) どこかで「新しいふるさと」が待っている。詳しい問い合わせは同センター(06・4790・3000)まで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)