全く興味がない仕事でも「正社員」になるべきか悩んでいます…。派遣社員と正社員でどのくらい給与は違いますか?
現在の日本においては、正社員以外にも非正規社員、例えば派遣社員といった働き方があります。しかし世間では、派遣社員よりも正社員のほうがいいという風潮が根強く残っており、あまり気が進まなくても正社員になるべきかと、悩む派遣社員の方も少なくないようです。 そこで今回は、「興味のない仕事であっても正社員になるべきなのか、そして給与はどれくらい変わるのか」を考えていきます。
給与だけ見れば基本は派遣社員より正社員がいい
給与面だけを見れば、基本的には正社員のほうが、派遣社員よりも恵まれている傾向にあります。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、一年を通じて勤務した正社員の平均年収は、523万3000円となっています。 それに対して、マイナビの「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年版)」によると、派遣社員の時給は平均で1488円となっており、仮に1日8時間、月に20日働いたとして、年収に換算するとおよそ286万円となります。 単純に比較してみると、派遣社員の平均年収は正社員の55%ほどにとどまり、給与面だけを見ると、派遣社員よりも正社員のほうがいいといえます。
派遣社員は不安定な働き方である
給与面以外でも、派遣社員としての生活は安定しているとは言いがたい部分があります。その一つが雇用の安定性です。派遣社員の場合、一般的には、数ヶ月おきに契約更新を繰り返しながら働き続けることになります。さらに、同じ職場の同じ部署で働くことができるのは3年までという制限があるため、3年ごとに派遣先を転々とすることになる可能性もあります。 また派遣社員は、昇給額が少ない傾向があります。先の「派遣社員の意識・就労実態調査(2023年版)」によると、同一の派遣先における初回契約時からの昇給額は、平均わずか69円です。 そのうえ、この時給は、次の派遣先でも維持されるとは限りません。派遣社員への給与は、派遣会社と派遣先とが決めた派遣料金の範囲内で決まるため、派遣先が変わるたびに時給が上下して、生活が安定しないこともあり得ます。