前走14着からの逆襲へ!嘉藤貴行調教師が教えてくれたペンティメントへの熱い思い/新人記者のトレセン日記
【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 今週は、土曜の中山競馬場で行われるアレキサンドライトステークス(4歳上3勝クラス・ダート1800メートル)にも注目。出走予定のペンティメント(牡5・嘉藤)が前走1番人気14着からの巻き返しを狙います。 中山に実績のある馬で、ここまで6戦して、大崩れしたのはその前走・市川Sのみ。それまでは5戦3勝2着1回3着1回と好成績を残していたのに初めて苦戦したことについて、嘉藤調教師は「中間は順調ではないところがありました。トモに先天的な病気があって、それが悪さした感じですね」と振り返ります。そして、「正直今回もあまり変わらないです…」と表情が一瞬曇ったものの「地力には期待しています。どこまでやれるか」とすぐに笑顔が戻りました。2勝クラスをあっさり2戦で通過し、昇級初戦となった6月の天橋立Sでも4着。トレーナー自身がこの馬の能力を高く買っているからです。 精神面も強いといいます。前走のような大敗を経験すると、気持ち的に“もうやめたい”とつらくなってしまうのかなと心配したのですが、全くそんなことはないそう。「常に前向きです。走りに前向きで、大敗した後でもへこたれないですね。人間もそうで、苦しい時にサボりたくなるじゃないですか。でもこの子は調教を苦しがったりしない真面目な馬です」 その真っすぐな性格に応えるべく、また「期待の表れ」として、この中間は全ての稽古に嘉藤師がまたがっています。「緩めずになるべく負荷をかけられるようにしたのと、冬なので運動量を落とさないようにも意識して乗りました」。加えて「いい姿勢で走れるように、トモを入れた走りができるように」というところにも重点をおいた調教を積んできたそうです。 「才能は感じています。馬の体調もいいですし、叩いた効果に期待したいです」。取材の中で嘉藤師の口から何度も聞かれたこの馬に対する熱い思い。持っている能力はここまでの戦績から明らかで、あとは久々を叩いた2戦目で変わり身があるのか。私もペンティメントに期待したいと思います。
栗栖 歩乃花