【THRJ独占インタビュー】ノーマン・リーダス、『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』について語る(前半)
-------- Q. スピンオフシリーズ『ダリル・ディクソン』ではさらなるキャラクターの成長を感じましたか?
ああ、そうだね。メリッサ(・マクブライド)と僕にそのスピンオフの話が来て、フランスというロケーションを提案されたんだ。田舎者2人をフランスに放り込むというのは、かなり奇抜な発想だった。僕はすぐにイエスと言ったし、メリッサもそうだった。 そして、約3週間後、『ウォーキング・デッド』のメインシリーズが終了すると発表されて、少しプレッシャーがかかったよ。僕たちはいつも、任務に行って、グループのもとに戻ってくるものだと思っていたから、終わるとは予想していなかった。 スピンオフでのキャラクターの成長という点では、ダリルが周りで生き死にした人々から学んだことを活かすことに重点を置いてきた。彼らはダリルに貴重な教訓を与えてくれたんだ。それがキャラクターの成長に大きく関わっている。 以前は、状況が白熱して誰かと目を合わせたら、それはトラブルの合図だった。殴り合いになったり、決裂を意味したりしていたんだ。スピンオフでは、「こういう状況でハーシェルやリックならどうするだろう」と考えるようにしている。シリーズで本当の家族になった人たちから学んでいるんだ。 血で繋がった家族の“蜘蛛の巣”を払い、自分の責任を受け入れるところまで来た。このドラマは、様々な状況で自分が何者なのか、何のために戦う覚悟があるのか、いつ立ち去るべきなのかを問いかけてくる。以前のダリルは、誰とでも戦っただろうが、今では時には立ち去ったり、状況を和らげたりする。これはリックやグレン、ハーシェルのようなキャラクターの行動を反映している。彼らはダリルを冷静で成熟したバージョンにしてくれた。以前の狂人から進化したんだ。そういう風に成長したよ。
-------- Q. 『ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン』では、フランスの新天地で多くの新しいキャラクターと出会います。 彼らに、以前のシーズンでの経験や教訓を教えましたか?もしくは、彼らから新しいことを学んだのでしょうか?
ああ、そうだね。お互いに学び合うということが多かった。このシリーズでは、ダリルのキャラクターとは正反対な少年のローランが登場する。だんだんとそのキャラクターに惹かれていったんだ。 ダリルは「この子は特別だ」と思うようになる。神から送られた存在でも、魔法の力を持っているわけでもない。でも、“特別な何か”を持っている。彼は洗練されていた。芸術に生きていて、ダリルは知らないような世界にいるんだ。だから、ダリルもローランから学ぶことが多かった。 私はこの番組のプロデューサーを務めていて、俳優と読み合わせをしたり、キャスティングをしたりしている。作中だけでなく、そのときも面白かった。多くの子役がオーディションに参加したんだけど、みんな“ザ・俳優”みたいな子たちだった。僕自身ですら、俳優らしい俳優じゃないのにね(笑) その中で一人、長い髪をしていて、ルネサンス時代からやって来たみたいな子がいたんだ。芸術や写真の話をしながら壁の彼方を見つめていて、すぐに「この子は違う」と思ったよ。ローランというキャラクターにぴったりだと思った。 でも面接が終わると、彼の父親が「オーディションをきっと台無しにしたんだろう」って言ったんだ。僕は「いや、上手くやれていたよ」って伝えたんだけど、「そうかな、絶対失敗しただろう」って。その時、「この子を守らなくては」と思った。ダリルも少年を守りたがっているんだから「この子こそがぴったりだ」ってね。 そして、ルイ(・ピューチ・シグリウッツィ)と僕は撮影を通して友達になった。ドラマを超えた関係性を築いていった。彼が僕からの影響を受けたように、私も彼から影響を受けていたよ。 また、イザベル役のクレマンス(・ポエジー)はとっても落ち着いていた。物静かで、興奮したりしない。彼女と仕事をするのも面白い経験だった。 だから互いに学び合っていたと思う。アメリカ人が舞台をフランスに置いた作品を撮影する時に、そういう関係は欠かせないんだ。