小林薬株が大幅続落、紅こうじ製品と死亡の因果関係疑われる事象把握
(ブルームバーグ): 26日の東京株式市場で小林製薬の株価が一時7%安と、ストップ安となった前日に続いて大幅に下落し、2016年8月以来の安値を付けた。自主回収をしている「紅麹(こうじ)コレステヘルプ」を使用していた顧客が腎疾患で死亡し、製品との因果関係が疑われる事象を1件把握したと同日発表した。
紅こうじ原料の一部に意図しない成分が含まれている可能性が判明したと22日に発表。24日時点では同社への情報提供などに基づき合計26件の腎疾患等の入院症例を把握しているという。業績に与える影響は精査中としている。
野村証券の大花裕司アナリストはリポートで、仮にサプリメント事業撤退なら営業利益の約20%が消失と試算。小林薬は現時点で製品回収費用を18億円と想定しており、同証が予想する2024年12月期純利益を約6%押し下げる要因とし、保有する投資有価証券株式の売却で当面は増益を維持するのは可能だろうと指摘した。
モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤和佳子アナリストらはリポートで、「消費財メーカーにとって当問題はネガティブとなろう」とした上で、花王の白斑問題のように規模にかかわらず他製品への影響は限定的で、株価への悪影響は短期的だろうとの見方を示した。
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--取材協力:宮沢祐介.
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Eddy Duan