【京都】「製造業のアマゾン化」に挑む町工場のAIシステム 次の一手とは?
京都府宇治市で多品種少量生産を行っているアルミニウム切削加工メーカー「HILLTOP(ヒルトップ)」。 約60年前に従業員5~6人でスタートした町工場は、「量産ものはやらない」「ルーティン作業はやらない」「職人はつくらない」など常識を破る経営で成長を続け、いまや社員は約150人になり、米国の有名企業からも注文が入る会社になりました。 いま見据えるのは、日本の製造業の未来です。自分たちの存続のために業界全体のボトムアップが不可欠だと考えるようになった彼らは、自慢の「HILLTOP System」を進化させた新たなサービスを始めました。
【山本勇輝(やまもと・ゆうき)】 1980年、京都生まれ。 大学卒業後、広告代理店営業を経て、2006年HILLTOP株式会社に入社。 2013年米カルフォルニア州でHILLTOP Technology Laboratory, Inc.設立とともにCEO/CTO/President就任。 2020 年にHILLTOPの常務取締役に就任し、AI(人工知能)やビッグデータを活用したDX製造サービスなどの開発を主導。 2022年7月にHILLTOP代表取締役社長就任
「コムロジック」で自社ノウハウを提供
2022年1月、HILLTOPと工作機械を扱う専門商社・山善から出されたあるリリースが業界で注目されました。 〈⾃動プログラミングサービス「COMlogiQ」(コムロジック)の販売スタート 職⼈技のデータベースとAIを組み合わせた⾃動プログラミングで『製造業のDX化』へ〉(HILLTOP) 〈自動プログラミングサービス「COMlogiQ」(コムロジック)の提供開始 ~生産現場の人手不足解消、生産性の高い業務へのシフトに寄与~〉(山善) それぞれのタイトルが意味するところは、HILLTOPとグループ会社のThinkR(シンカー)が開発した部品加工の⾃動プログラミングサービス「COMlogiQ」を、山善が取り扱う工作機械のオプションサービスとして販売する、ということです。 製造業と無縁の人にはなんのことやらさっぱりかも知れませんが、これが、HILLTOPが日本の製造業の未来を見据えて打ち出した“次の一手”なのです。 HILLTOPの強みは、職人たちの技術やノウハウをデータ化し、だれでも熟練工と同じクオリティの製品をつくることができる画期的な生産管理システム「HILLTOP System」をつくりあげたところにあります。 工場の機械はすべてプログラムによって自動制御され、24時間無人稼働で「多品種少量生産」「超短納期」を実現しました。