「刺青の客が」「誰も店を利用したことがない」西成・焼き肉店経営者が「ドライブスルー覚せい剤」で逮捕、5メートルの距離に交番も驚愕犯行
大阪府警は4日までに、西成区の路上で覚醒剤を密売したとして、焼き肉店経営者の松田大樹被告と梶野了被告を、覚醒剤取締法違反などの罪で逮捕、起訴した。 【写真】ビールとスケボーで決めポーズの被告 被告らは2024年1月、覚醒剤0.2グラムをインドネシア人留学生に2万4000円で譲り渡した罪に問われている。彼らは通信アプリ「テレグラム」を使って客を集め、客が店の前に車を停めると、そこで覚醒剤を手渡すという「ドライブスルー方式」で密売を繰り返していたとみられている。 松田被告のフェイスブックを見ると、2018年末から2019年頭にかけて、連続して麻薬関連の記事を投稿していることがわかる。それらのタイトルには「家で簡単に!マリファナブリーディング」「本物吸おう!偽マリファナにご用心!」「お正月は家族と神社で大麻探し!」などといった、珍妙な言葉が躍る。やけに大麻にご執心だった時期があったようだ。 本誌は二人が経営していた焼き肉店「肉の松っちゃん」周辺を取材。すると近所の住民らは、以前から店の前に停車する車を不審に思っていたようだ。 「焼き肉店は夕方の5時ごろから店を開けるけど、その時間帯から店の周りによく白い車や軽自動車が停まっていた。中には高級車もあったね。狭い道だし、近所の人は迷惑に思っていたよ。だけど、まさか覚醒剤を売っていたとはね」 驚きを隠せない様子だが、別の住民は店に出入りする暴力団関係者を見たとおびえながら明かした。この住民によると、焼き肉店は最近できたものだという。 「焼き肉店は1年ほど前にオープンしましたね。その前は焼き鳥店でした。あのお店はころころと人も業態も変わります。店をやっているのは暴力団関係者とみられています。その筋の人がよく出入りしているともっぱらの噂でした。暴力団員かはわかりませんが、刺青を入れた人もよく出入りしていたし、松田容疑者も刺青だらけだと聞きましたよ。 そうした事情で、近所の人は誰も店を利用したこともありませんでした。あの焼き肉店が美味しいかどうかもわかりません。今回覚醒剤を密売していたとして逮捕されましたが、やはりそうだったのかと思いました。『なるほどな』という感想です」 逮捕された二人が倉庫代わりに使用していたアパートからは覚醒剤約360グラム、末端価格でおよそ2400万円相当が押収された。また、警察はアパートを含む8カ所を家宅捜索しており、その中には組事務所もあるとみられている。 松田被告らは、SNSで「アイス売ります」などと隠語で客を募り、覚醒剤を手渡ししていたという。ところが、驚きべきことに「肉の松っちゃん」の目の前にあるのは交番だ。その距離わずか5メートル。ここに暴力団関係者とみられる客が多く出入りしていたとは……。 「またこんなことで西成の地名が全国区になる。イメージが下がるばかりだ」 そう嘆いていた近隣住民。今回の逮捕で治安が少しでもよくなるといいのだが……