「あまてらすラナンキュラス」インスタで販路拡大 ボリューム、茎の太さなどアピール
宮崎県・JA高千穂地区花き園芸振興会ラナンキュラス部会
宮崎県のJA高千穂地区花き園芸振興会ラナンキュラス部会は、写真動画投稿アプリ「インスタグラム」を活用し、販路を増やしている。写真で花のボリュームや茎の太さなど品質の良さをPR。県内外や国外からも需要が増え、近年は1本200円を超えるものもあるほど人気が高まっている。 部会のラナンキュラスは「あまてらすラナンキュラス」のブランド名で販売している。インスタの更新を行うのは副部会長の今村浩二三さん(52)だ。日之影町でラナンキュラス6アールを栽培する今村さんは、約2年前の副部会長就任をきっかけにブランドの知名度向上のため発信を開始。投稿は定植、発芽などハウスの様子や品種の紹介、初出荷、部会の行事など時期に合わせて行う。 フォロワーは部会員や組合員にとどまらず、県内外各地の花屋、仲卸、花の購入者と多岐にわたる。「この品種の名前は何ですか」「今シーズンも会えますように」といったコメントや、「中国でも買えますか」など海外からの反応もメッセージで直接見える。インスタを見て、福岡県からバイヤーがわざわざ見学に来たこともある。 「生産者自らがリアルタイムに伝えることで、花の写真と一緒に産地の情報がダイレクトに伝わり花の価値が上がる」と今村さんは手応えを感じている。
輸出も右肩上がり
インスタを通して伝えるのは部会の花の品質の高さだ。冬では氷点下になるなど寒さが厳しい高千穂地区で育つラナンキュラスは成長が緩やかなため茎が丈夫で、100種類という品種の多さと日持ちの良さ、花のボリュームがファンを獲得している理由だ。厳しい選別も徹底する。 輸出も伸びている。約10年前から行っている米国への輸出は右肩上がりに増え、2022年度は初めて1000万円を超えた。米国では主に大きなパーティーでの需要が多く、カラフルさ、色・種類の豊富さ、オリジナル品種の高品質さが人気で、指名で買われるという。 JAの富高信也営農指導員は「インスタのおかげでラナンキュラスの人気が伸びている」と感謝する。 今村さんは「今後はもっとセンスを磨き、他の部会員と共同で投稿するなど幅を広げたい。部会全体のレベルアップにつなげたい」と意気込みを語る。
日本農業新聞