トチの実と黒小豆 こだわり抜いた水窪産ケーキ 浜松の製菓店構想10年 NPOが希少素材栽培
浜松市天竜区水窪町の小松屋製菓が、トチの実と希少な黒小豆を使ったバターケーキを完成させた。地元のNPO法人「こいねみさくぼ」が栽培した黒小豆の甘納豆とトチの実を使ったバタークリームを組み合わせたバターケーキで、水窪産にこだわった上品なスイーツに仕上げた。10年以上前からの構想で、小松屋製菓社長の小松裕勤さん(51)は「『やっと』という思い。水窪の素材を生かしつつ、黒小豆の魅力を広めたい」と話す。 十数年前、小松社長は取引先の静岡県外の問屋から長野県産の黒小豆の種を分けてもらった。艶のある黒色の表面や濃厚な豆の味が気に入り、商品化を考えた。4年前から同NPO法人と協力して黒小豆の栽培を開始。当初は虫の食害や天候不良などに苦しんだが3年目を迎えた昨年、十分な収量が確保できた。栽培を担う同法人の会員小松実さん(48)は「完成できてうれしい。黒小豆を水窪でもっと作れるようにしたい」と商品化を喜んだ。 価格は税込みで2484円。店舗販売のほか、通販、同区二俣町の商業施設「森のマルシェきころ」で購入できる。問い合わせは小松屋製菓<電053(987)0203>へ。
静岡新聞社