至極のだしと打ち立てそば。寒い冬の一杯に食べたい「浅草 ひら山」のかけそば
根強い人気を誇る、選び抜いた食材で作り上げる天ぷら
「浅草 ひら山」の名物と言えば、もちろんそばだが、そばとともに根強い人気を誇るのが天ぷら。透き通ったごま油100%で揚げられる天ぷらの数々はサクサクとした歯ごたえと、素材のうまみがふんだんに生かされたものばかり。常連客の中にはこの天ぷらをつまみに日本酒をたしなみ、シメとしてせいろそばをオーダーするというツウな方もいるという。
もちろん、森脇さんも平山さんが作る天ぷらのファンの一人。そこで今回は人気が高い3品を“そば前”として用意してもらった。
森脇さん「単品で天ぷらをいくつかオーダーして、天ぷらそばに仕立てて食べるのもオツです!」
まず用意してもらったのが、江戸前の天ぷらの定番とも言える穴子。サクサクとした衣の食感とフワフワとした穴子の身の歯ごたえはまさに絶品で、アツアツの天ぷらを一口食しただけでも幸せな気分に浸れることだろう。
続いて平山さんが用意してくれたのはレンコン。レンコンの天ぷらというと通常はレンコンを薄く切ってカリッと揚げることが多いが、「浅草 ひら山」のレンコンの天ぷらは通常のものと比べるとかなり分厚い。
これだとかみ切れないのでは?と不安になるかもしれないが……このレンコンは石川県産の「加賀れんこん」と呼ばれる銘柄。もっちりとした食感が特徴のため、その味わいを生かすために平山さんは敢えて厚めに切って提供している。
最後に登場したのは季節限定のもの。各季節でそれぞれ旬のものを天ぷらとして提供しているが、取材した11月の限定ものは栗を使用した天ぷら。栗を天ぷらにすること自体が珍しいが、産地もその時その時で一番いい栗を厳選して使用する。大ぶりの栗を揚げる前に炊いているが、敢えて渋皮を残しているのがポイント。
「渋皮があることで、パリッとした食感と栗特有のホクホクとした食感、両方が楽しめるんです」という、平山さんのセンスが光る一品だ。
だしの風味を最大限に引き出す立役者は海苔
天ぷらを堪能した後、いよいよメインのそばの出番に。そば粉はその季節に合わせ、最も適したものを使用するという徹底ぶりで、取材当日は福井県産のそば粉を使用。このそば粉十割で作った自家製粉の手打ちそばを大きな鍋でサッとゆでることで風味のいいそばが出来上がる。