【UAE戦】GK小久保玲央ブライアン、ピンチなっても動じる気配なし…思い出す、若き日の日本代表“名キーパー”
パリ五輪のアジア最終予選を兼ねてカタールで開催されている、サッカーのU-23アジアカップ。大会は基本的に中2日での連戦である。このためターンオーバーを採用して体力の温存を図るのは当然の策としても、UAE戦では中国戦で完封勝利に貢献したCB高井幸大、キャプテンのMF藤田譲瑠チマ、リーグ戦から好調を持続し、中国戦で決勝点を決めたMF松木玖生までベンチスタートとは予想外だった。 【写真をみる】前回と同じ先週はたった“4人”だったスタメン組の面々 そのうちの一人、「GK小久保玲央ブライアン」は自身のインスタで“ご家族公開”していた ***
大岩剛監督が「しっかり準備できていますので、自信を持って送り出しました」と言うだけあって、中国戦のメンバーと見比べても遜色はない。 2試合続けてのスタメンは、GK小久保玲央ブライアンは当然として、フィジカルコンタクトの強さと高さを兼ね備えた右SB関根大輝、中国戦ではCB西尾隆矢の退場処分により前半21分で交代を余儀なくされたMF山本理仁、そして左足の強シュートが魅力の右FW山田楓喜の4人だけだった。 中国戦で交代出場したCB木村誠二以外の6人は今大会初出場。にもかかわらず、堂々とした試合ぶりからUAEに完勝した。 立ち上がりこそUAEの1トップ、大型FWスルタン・アディルへのロングボール攻撃に慌てる場面もあった日本だったが、時間の経過とともに木村とCB鈴木海音がフィジカルの強さを見せてアディルを封じにかかる。 そして前半27分、「われわれのストロングポイント」と指揮官が胸を張るセットプレーから先制点を奪った。 山田の左CKはUAEゴール前を通過してファーサイドで待つ山本に渡る。山本はワントラップ後、ゴール前にクロスを送ると木村がヘディングシュートで日本の先制点を決めた。 木村は「いいボールが来たので、あれは山本の得点」と謙遜したが、頭一つ抜け出た会心のヘッドであり、UAEからすれば右らか左へ大きく展開されたためマークを見失ったが故の失点だった。
小久保と川口能活の共通点
その後も日本の攻勢は続き、前半39分には山田のFKがUAEゴールを強襲するなど日本のワンサイドゲームになりつつあった。 ところが前半43分、タテパスに左サイドを抜け出したSBアブドゥラ・アッバス・アルブルーシがGK小久保と1対1から左足シュートを放った。ゴール右下を狙ったシュートだったが、GK小久保は左手でコースを変えて決定機を防いだ。 中国戦でも1対1の決定機を左足でブロックするなど、ピンチになっても小久保からは動じる気配がまったく感じられない。 彼がゴールマウスにいれば、そう簡単に失点はしないという“安心感”を覚えるほどだ。かつて若き日の川口能活が漂わせていたオーラを小久保も身にまといつつあるのかもしれない。6月のW杯アジア2次予選ではA代表に招集して欲しい選手である。 試合は後半21分に左SB大畑歩夢のアシストからMFか川崎颯太がヘッドで追加点をゲット。3月下旬のマリとのテストマッチではパスミスから失点に絡んでいただけに、「ああやって中に入って点の取れるところを見せたかった」という名誉挽回のゴールでもあった。 むしろ問題はその後だった。後半29分、1トップのFW藤尾翔太に変わって細谷真大が起用された。中国戦ではスタメンで起用されながら、シュートを1本も打てずに後半45分に内野航太郎との交代を余儀なくされた。