全国初の高齢ドライバー専用講習センターがさいたま市に 27日運用開始、順番待ち解消へ
高齢ドライバーの増加を受け、埼玉県警は高齢者の運転免許更新時の認知機能検査や高齢者講習を専門に行う「岩槻高齢者講習センター」を開設し、27日に業務を開始する。県警によると、警察が運営する専用施設は全国初。4月現在で高齢ドライバーの講習は平均で約1カ月待たされており、センターの運用開始で更新がスムーズに進むことが期待されている。 センターはさいたま市岩槻区馬込にあり、敷地面積は約4万3千平方メートル。建物は鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積は約6300平方メートル。講習室20室や認知機能検査室4室などがある。また、専用の講習コースなども備えている。高齢者講習は1日120人、認知機能検査は1日180人の受け入れが可能だ。 このほか、免許を自主返納した場合は運転経歴証明書を発行する。合わせて、県と連携して高齢者の健康ケアなどを行うコーナーも併設している。 高齢者が免許を更新する際、70歳以上では運転技術の確認や座学といった高齢者講習が、75歳以上では認知機能検査を受けることが、道路交通法で義務付けられている。免許は誕生日の前後1カ月が更新時期になるが、高齢者の場合は更新時期が終わる6カ月前から更新時期終了までの間に講習や検査を受けなければならない。 これまで埼玉県内では、県警が委託した53カ所の自動車教習所などと運転免許センター(鴻巣市)の計54カ所で講習や検査を実施していた。 ただ、高齢ドライバーは増加傾向にあり、令和5年で約18万5千人が高齢者講習受講を、約14万3千人が認知機能検査を受けており、順番待ちが発生している。4年に道交法が改正され、認知機能検査が簡略化されるなどして順番待ち期間は短縮傾向にあったが、それでも県民から「待っている期間が長すぎる」との声が出ていた。 県警運転免許課次席の金泉豊警視は「センター開設で講習を受けるまでの日数を短縮できることが期待できるので、安心して講習期間を迎えてもらいたい」としている。