「気持ち悪い…」就活の面接で〝プライベート〟聞かれ嫌悪感 「面接官もアップデート必要」
面接官にもアップデートが必要
このような事例について、どう考えればいいのでしょうか? 甲南大学で30年以上にわたりカウンセラーとして、学生からの様々な相談を受けている高石恭子教授(臨床心理学)は「ある種のセクハラにもなりかねない質問です」と指摘します。 「学生と面接官という立場以前に、互いに自律した大人同士だということを忘れないでください。初対面の女性に対して、ちょっと軽率な質問だと思います」 また、コロナ禍で学生生活の大半を過ごしてきた学生は、それ以前と比べて他者との距離感も変わっていると話します。 「いやな質問を適当に受け流したり、答えたくない問いに対して抽象度の高い話をしてやり過ごすといったことが苦手な学生が多い印象です。真剣に受け止め、正確に回答しようとして答えに詰まったり、ストレスをため込んでしまったりする人が増えているのではないでしょうか」 投げかけた言葉を、相手がどう受け止めるかを想像する。 就活面接であっても、コミュニケーションの基本は変わらないと高石教授は話します。 「『私たちの頃はこれくらい普通だった』は通用しません。時代と共に『アウト』な質問のラインは変わっています。面接官も価値観をアップデートしなければいけません」
「いやだな」という気持ちを大切にして
学生が不快に感じる質問や、高圧的な態度を取る「圧迫面接」など、就活面接でいやな思いをしたという話は未だになくなりません。 ネット上には「圧迫面接をされたから内定を辞退した」という学生の声がある一方で、理不尽な対応をされても、それに耐えて内定を得るための「対処法」をまとめたサイトも見受けられます。 高石教授は「不快に感じる質問や理不尽な対応をされた会社の選考を辞退するのは適切な判断だと思います。人事担当は会社の顔とも言われます。こうした質問を意図的に行っているにしろ、自覚無くしているにしろ、働きやすい職場ではない可能性が高いです」と話します。 気持ち悪い、ムッとした、思い出すとモヤモヤする――。 こうした反応は心の健康を守るために備わった自己防衛の仕組みだと、高石教授は話します。 「親が喜ぶから、有名な会社だからと自分の気持ちにフタをしてしまうと、結局、入社してから長続きしません。『いやだな』と感じた自分の気持ちは大切にして欲しいです」 ◇ ◇ ◇ <体験談をお寄せください> 就活生、または入社3年目くらいまでの方、体験を聞かせていただけませんか? 取材に協力していただける方は、こちらのフォーム(https://forms.gle/yKTLpDZUaCASevmA6)からご連絡ください。