給食費アップも「学校給食が少ない!」 中には必要な栄養量に満たない給食も 文科省が調査結果を発表
■食品の卸会社では「予算削るとなったらデザート」「自治体、企業努力では難しい」
この状況に現場はどう対応しているのだろうか。 兵庫県姫路市にある食品の卸会社では、学校給食用には、毎日、関西を中心に100万食分の食材を納めている。 各自治体が提案してくる献立をもとに、季節の行事や地元産の食材を意識するなど、「食育」につながる食材を提供しているという。 泉平学校給食事業部 角石鎮人部長:9月のお月見の日につく月見団子、3月にはひなあられ。昔からの食文化と慣習が薄れている中で、食材を通して食文化を学んでいく目的もある。 肉が高いので、ひき肉を大豆製品に替えるなど対応をしているが、物価高もあり、一食、小学校で260円前後、中学校で300円ほどの限られた予算内でのやりくりは、苦しくなっている。 泉平学校給食事業部 角石鎮人部長:例えばコロッケが1円、2円上がるだけでも、非常に苦しいのが現状。ご飯とか牛乳とかメインのおかずは外すことはできないので、結局予算を削るってなった時に、削られるのが例えばこういうデザートとか。このまま食材が上がり続けていくと、なかなか自治体さん単体とか、われわれ業者の企業努力だけでは、実際、厳しい部分は多々ある。 子どもの発育に欠かせない給食。どうすれば満足のいくものが届けられるのだろうか。
■給食は「もともと限られた条件の中で工夫してやりくりしている」
物価高の中で、給食費が高騰している。番組コメンテーターで前尼崎市長の稲村和美さんはこのように話す。 前尼崎市長 稲村和美さん:急激に物価高が進むとどうしても対応のタイミングがずれてしまうというところもあるかと思います。ただ文科省の実態調査は定期的にやっています。無償化というニーズも高まっていく中ですが、給食はもともと限られた条件の中で、みんなが本当に工夫して、やりくりしてる分野なんです。物価高の影響が決して、発達途上にある子供たちの栄養価に影響を及ぼすことがないように、調査結果をしっかりと踏まえて対応して行くことが、重要だと改めて思いました。 こうなると、自治体としてどういうふうに、やりくりするのかというところは腕の見せどころになる。 前尼崎市長 稲村和美さん:その通りですし、国の全体の支援のあり方も、子育て支援が、今これだけ求められている中で、重要になってくると思います そして、給食業者も悲鳴をあげている現状だ。 関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:『価格高騰で限界だ』という声がありますけれども、ひとつ注目されたのは去年9月にも、広島の給食業者がコロナの影響もあったと思うんですけども、物価高の影響で『今の入札金額では、もうやりくりできない』と、給食の業務を停止し、地域の給食が一気に止まってしまったことがあり、問題になりました。やはりその時に、わたしたちも物価高の影響というのは、そういう業者さんにもいっていて、わたしたちの生活だけじゃなくて、ひいては“食育”にも影響するということが分かりました。 育ち盛りの子供たちの健康を守る、いまある給食の形を守るための議論も進めていってほしい。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月12日放送)
関西テレビ