【身長165cmライダーインプレ】原付スクーターのイメージを覆す!ホンダEM1e:の静音性とパワーに感動
2023年8月に発売された、ホンダ初の一般ユーザー向けEVスクーター「EM1e:(イーエムワンイー)」。脱炭素の世界的な動きの中で、企業向けEVスクーターを以前から販売しているホンダが満を持して投入する新型モデルだ。「ガチャコ」による交換可能なバッテリーも話題を集めた。 【画像】HONDA EM1 e:のディテール/装備の写真ギャラリーはこちら(27枚) とはいえ、今年の法改正による特定原付の規制緩和などによって、既に世間には電動モビリティが数多く走り出している。電動キックボードやペダル付きのモペッド、3輪車モデルなどそのスタイルも様々だ。そんな群雄割拠の中に現れたEM1e:が、どういったキャラクターなのか、使い勝手はどうなのか、実際に試乗してみた。
ホンダ発EV、29年目にして初の国内一般向けスクーター「EM1e:」
ホンダのEVスクーターの歴史をさかのぼると、1994年に発売された「CUV-ES」が市販第1号となるが、価格や性能は日常レベルで扱えるものではなく、ごく少数の販売で終わった。しかしホンダはEVスクーターの開発をやめてしまったわけではなく、2010年にはベンリィをベースとした「EV-neo」が登場。2018年には、初めて脱着充電が可能なバッテリー・モバイルパワーパックを搭載する「PCX-ELECTRIC」が発売された。現在では「BENLY e:」「GYRO e:」「GYRO CANOPY e:」がビジネスユース向けにラインナップ。ホンダはこれ以降も、2025年までに10種類以上のEVラインナップを登場させる計画を発表。さらに2040年代には完全なカーボンニュートラル達成を標榜している。「EM1e:」は現行EVの4車種目にして、初の一般ユーザー向けモデルとしてこの計画に加わったモデルなのだ。
サイズ感はごく普通の「原付スクーター」そのもの。重心も低く引き起こしもラクラク
EM1e:の最高出力は1.7kWで、カテゴリーは原付一種クラス。インホイールモーターによる最高速度は45km/hとなり、車体重量は92kg、シート高は740mmと、スケール感は「ジョルノ」や「ダンク」と同じくらいで、「50cc」クラスの存在感そのまま。跨ってみても、足つきは両足べったりで引き起こしも軽々。もちろん押し歩きをしても、重い感覚はまったくない。「EVはバッテリーが重い」というイメージがあったのだが、これはすっかり裏切られた印象だ。